95fce483f2ea915a6cc9a3e0b99d0943_s今回は、10タイプある内のパーソナリティ障害から、境界性パーソナリティ障害についてその概要を説明したいと思います。

境界性パーソナリティ障害は、ここ20年ほど、臨床現場でも急増し、最近では一般にも、よく知られるようになったタイプの人格障害です。

米国では、パーソナリティ障害者のうちの半数が、この境界性パーソナリティ障害とも言われています。

境界性パーソナリティ障害は、別名「ボーダーライン(境界)」とも呼ばれています。

これは、もともと精神病レベルと神経症レベルの境界(ボーダーライン)を意味する「境界状態」という言葉を、アメリカの精神科医ナイトが用いて、その存在を知られるようになりました。

男女比としては、男性:女性が1:3と、女性が圧倒的に多いのが特徴です。

私の経験上からみても女性の比率が圧倒的に多いです。

発症年齢は10代~30代ですが、私の感覚からするとその年齢層は上がってきているように思います。

境界性パーソナリティ障害は、情緒面や対人関係の変動の激しさと、周囲に対する操作的な態度を最大の特徴としています。
1時間前までは、ニコニコ顔でハッピーそのものだったのに、相手の些細な一言で傷つくと、急に不機嫌になり、「死にたい」と言い出して、ベランダから飛び降りようとします。

5分前までにこやかに話をしていたのに、本人の都合の悪い事が起きた途端に、突然風呂場に行き、カミソリで手首を切ったりします。

周囲の人達は、急にこんな行動をされては、困ってしまうので、言いたいことも我慢して、腫れ物にさわるように接することになります。

5356b6e45ab26a190a1a29d538211d22_s境界性パーソナリティ障害の人は、根底に、強い自己否定感を抱いています

リストカットやODなどの自殺企図には、愛情や関心を得たいというだけではなく、本心から自分を消し去りたいと願う、自己破壊的な衝動を伴っている場合もあります。

こういった自己否定感は、幼い頃に、愛情の充足や安心が脅かされた体験に根ざしていることが多く、そのもっとも典型的なものは、虐待を受けて育った人に見られます。

以上が、境界性パーソナリティ障害についての一般的な概要でした。

私自身も20年以上、人格障害を専門領域として活動していますが、境界性パーソナリティ障害者と向き合うときは、本当の意味でのぶつかり合い、そして強い覚悟が必要だと信じています。

私の臨床歴の中には、境界性パーソナリティ障害として私と出会い、様々な困難な状況を乗り越え、社会に羽ばたかれていった方がいます。

その多くは、介護士や看護師などのような対人援助職に就かれる方がいます。

人から「感謝される」ことは、境界性人格障害の改善に大きな効果があるように思います。