症状
食事の量や食べ方など、食事に関連した行動の異常が続き、体重や体型のとらえ方などを中心に、心と体の両方に影響が及ぶ病気をまとめて摂食障害と呼びます。
摂食障害では、必要な量の食事を食べられない、自分ではコントロールできずに食べ過ぎる、いったん飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまうなど、患者さんによってさまざまな症状があります。※1
人格障害者施設・宿泊心理センター
克服
摂食障害の主な原因には、対人関係の失敗、職場や学校でのストレス、過度なダイエットなどが挙げられます。
特に「拒食症」の方は、パーソナリティ障害などの他の精神疾患を合併して発症してしまっている方が少なくありません。
摂食障害というものは拒食であれ過食であれ、精神はもちろん、身体にも多大な健康被害を及ぼし、日常生活に支障をきたすようになっていきます。
したがって、回復を目指す上で心身のケアは欠かすことができません。
拒食や過食嘔吐の経過観察には、栄養失調や機能障害、脱水症状などによる生命の危機も視野に入れた細心の注意を払う必要があるでしょう。
摂食障害から立ち直った方々を見ていると、症状が回復傾向に向かう共通のきっかけが存在していることに気づかされます。
それは「治したい」「変わりたい」という気持ちを持てたこと。
そして、過食(または嘔吐)は「自分の気持ちを伝える手段」として行っていたことに気づけたことでした。
こうしたきっかけを得た当事者たちは、次のステップへと進むことができます。
まず、自分の気持ちを「言葉」でしっかり相手に伝えられるようになること。
もう一つは、今まで持っていた自分の価値観を少しずつ変えていくことです。
そうしていくうちに、過食や嘔吐をすること自体がもはやどうでもよくなってくる時期が訪れます。
それこそが、症状を克服した目安と言えるでしょう。
※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」こころの病気を知る、摂食障害
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