症状

適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。

 

たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。

 

また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。※1

人格障害者施設・宿泊心理センター

 

克服

適応障害はまさしく「こころが病む」ことによって発症する精神疾患であると言えます。

実際に適応障害に悩む当事者たちの訴えに耳を傾けてみると、彼らが何に多大なストレスを感じる傾向にあるのかが見えてきます。

 

例えば、当施設へ過去に入所された適応障害を抱える利用者の多くは、次のように語っていました。

 

  • どうして自分はこんな嫌な人間になってしまったんだろう。
  • 常に不安や恐怖、孤独を感じてこころがやすらぐことがない。
  • 周囲の人間はみんな敵に見てしまう。
  • 自分が何者なのかよくわからなくなってしまった。

 

このような訴えに応えることができないまま時間が経過してしまうと、適応障害はどんどん進行(重症化)していってしまい、当事者たちの苦しみは深まっていく一方です。

 

やがてそれは、パーソナリティ障害、統合失調症、気分障害(うつ病など)や不安障害といったさらなる疾患へと発展していってしまいます。

 

 

適応障害には必ずストレスの原因がいくつか存在しており、その原因から離れたりすることで症状が一時的に治まります。

 

しかし、症状を克服するという意味において、この方法は解決策とは言えません。

薬物による治療という選択もありますが、根本的な解決策としては外的要因と内的要因に働きかける必要があります。

 

外的要因としては、こころがここまで病む原因となってしまった環境を整備し、逃げる必要のないストレスフリーな状態へしっかり調整してあげることで問題が解消されます。

 

内的要因としては、心理カウンセリングなどを利用して、当事者の「こころの正しい姿(正直な姿)」を探し当ててあげること。

 

そして、それを自分(当事者自身)や周囲の人間が認めてあげることで、本来の正常な社会的機能(情緒や行動)を取り戻し、ストレスに対する適応力も向上するのです。

 

 

※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」こころの病気を知る>病名から知る>適応障害

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