パーソナリティ障害・宿泊心理センターでは、日々、家族の抱える様々な悩みに寄り添い、親と子が無理なく生活できるようになるための支援を行っています。
子どもの問題行動、特に精神疾患によるものや、行動障害(または強度行動障害)を持っていると診断された子どもを抱えた親御さんの苦労には、想像を絶するものがあります。
それを物語るかのように、ずっと責任を持って家族を支えてこられた親御さんほど、がんばりすぎて満身創痍になっている姿をよく目の当たりにします。
私たちはそんな方々にこそ、いち早く支援へとつながっていただきたいと常々考えております。
そして、これ以上の心労を重ねなくても済むよう、施設に入所中はもちろん、退所された後の再発防止対策も講じています。
当施設では長年の臨床経験から、他の病院や自立支援施設への入所とは違った独自の支援方法へと辿り着きました。
その最も特徴的な部分は、「支援者(私たち)と入所者(お子さん)の共同生活」という点です。
この共同生活には大きなメリットがあると同時に、一部デメリットが伴います。
私たちが行っているこのやり方は、そのデメリットのせいで業界内ではあまり推奨されていないやり方という認識です。
そのデメリットを考慮した上で、私たちはこの方法のメリットである「大きな再発防止効果」に注目しています。
今回は、支援者が入所者と生活を共にするという支援方法が、どのように問題の再発防止につながるかについてご説明したいと思います。
演じて終わる
まず、入院や入所させることによる家族側のメリットの一つとして、子どもを預けることによる親の負担軽減があります。
これだけなら、どこに預けても同じ効果が得られることは間違いありません。
しかし、中にはとても複雑な家庭環境や精神疾患を持った子ども、行動障害を持った子どもを支えているご家族がおり、そういった方ほどなかなか条件に合った病院や施設が見つからないものです。
そういった方々は口を揃えて、「受け入れを断られてしまった」、「たらい回しにされてしまった」などと訴えられます。
なぜなら、困難な悩みや問題を抱えたご家族を根本からケアするとなると、支援者(治療者)にも相応の知識と経験が必要とされ、負担やリスクなどが伴うためです。
通常の入院や施設入所等において、利用者(子)は住み込み(宿泊)でケアを受けますが、支援者は必要のある時以外は一定の距離を置き、かかわりを持ちません。
これには理由があり、利用者との距離が近づくほど情によって倫理や守秘の観点での問題が起こりやすくなる懸念(リスク)と、支援者の心身の負担増が挙げられます。
ですが、このようなやり方によって利用者が置かれる環境はあくまで非日常であり、その中では「愛情」や「ぬくもり」といったものは得難いのが現実です。
こうした環境下にある子どもたちは、冷めた感情を抱き、退院・退所する頃までは「良い子」を演じ、家に帰った途端また以前のように戻ってしまいます。
やはり、真の意味で再発防止を考えるのであれば、疑似的ではない、より日常に近い環境でリアリティのある家族体験を通して与えられる「愛情」や「ぬくもり」が必要とされるのです。
家族の絆のために
利用者と支援者が共同生活をしたとしても、家族と同レベルの絆(信頼関係)を築くことは容易ではありません。
当のご家族がたくさんの苦労を重ねて築かれるであろう絆を、他人である私たちが作り上げるには、やはり相応の時間と努力を要するのです。
私たち支援者も覚悟を決め、身を削るような思いをしながら、それでも辛抱強くかかわり続けて信頼関係を築いていきます。
共同生活と言っても、それぞれに個室は用意されていてプライバシーは確保されています。
例えば、日中などは共同スペースで一緒に雑談をしたりTVを観ながら過ごしたり、食堂で食卓を囲んで食事をしたりします。
他にも、セラピーなどで一緒に運動したり、歌ったり、楽器を演奏したり、共に笑い、共に喜びを分かち合ったりしています。
この方法のリスクとしてよく言われている「倫理問題」や「守秘問題」に関しては、スタッフ全員に指導徹底し、絶対厳守するという制約のもと、対策を講じています(厳罰、懲戒解雇等)。
さらに当施設では、各スタッフに全く違う役割を割り当てることで、それぞれに特化した専門家として、場面ごとに信頼の置ける立場をそれぞれが獲得しています。
これにより、精神疾患や行動障害に特有の「問題が発生する周囲や環境の働きかけ」を観察し、必要な時に必要な助けが行える環境を作り上げています。
余談ですが、こうしてお預かりしたお子さんの対応をしていて常々私たちが感じることは、親御さんがこれまでに重ねてきた苦労の大きさです。
「こんなに大変なことを今までずっと続けてこられたのか…」
「子どものためにどれだけ血のにじむような努力をされてきたのか…」
このような思いを馳せることもしばしばあります。
そんな親御さんたちの苦労を労う意味もかねて、相談の場で私たちは「よくがんばってこられましたね」と声をかけることがあります。
同時に、私たちの臨床経験より「家族としての役割」や「子どもとのかかわり方」、「子どもの気持ち」などをアドバイスさせていただいています。
いずれ、また子どもが元気になって家に帰ってきた後も、今度は親が無理をしなくても済むような良好な家庭環境を維持していく上で、それらのアドバイスはきっと役に立ってくれるはずです。
重い精神疾患や行動障害などを抱えた子どもの場合は、家に帰った後も気を抜くことはできないかもしれません。
その場合も、都度施設と連絡を取り合ってアドバイスさせていただくことも可能です。
当施設では、家族がまた以前の穏やかだった生活を取り戻せるよう、子どもには精いっぱいの愛情とぬくもりを、そして親御さんには労いの言葉と助言を送り続けています。
このような支援の在り方に関心を持たれましたら、家族だけで悩まれる前に、ぜひ一度当施設へご相談ください。
専門家の皆さん、アイディアや、経験談をください
パーソナリティ障害宿泊・心理支援センターでは、利用者様のニーズに沿った質の高いサービスの提供に向けて、障害福祉事業関係者様との意見交換を希望します。
また、支援者さんからのご相談やご質問等も承っており、当施設の知恵と助言をご提供しています。
- パーソナリティ障害者の回復ステップとは。
- 家族支援の仕方のコツ。
- 支援者の陥りやすい落とし穴(ジレンマなど)。
対象者
- 精神保健福祉士
- ソーシャルワーカー
- ケースワーカー
- 精神科医、看護師
- 障害者グループホーム経営者
- 行政書士
- 社労士
- 建築士など
当施設では、専門家の皆さんとの連携が人格障害系の生活援助の向上につながるという確信のもと、協力の輪を何よりも大切にして参りました。
現状では、福祉、医療、サービス、教育に関する当施設の情報不足を痛感しており、今後ともお互いに有益であるような協力関係を結んでいただける方からのご連絡を心よりお待ちしております。
当施設までご自由にメールをください
jec.mailcounseling@gmail.com
電話対応も致します
0274-62-8826
専門施設として「パーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」
施設長
佐藤矢市
2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
費用
初回面談 施設見学 |
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初回面談の特典 |
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宿泊料金 | 支援ニーズにより異なります。まずはお問合せください |
※詳しくは下記URLよりアクセスください。
業務提携しました
心理障害グループホーム「地上のひかり」
施設長
佐藤靖人
2021年度に開設し、この度「JECパーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」と業務提携を結びました。
心理障害を抱えた方に向けて、心理ケアやスポーツが盛り込まれた生活を通し、楽しく学びながら成長し、将来への希望が見出せます。
月額利用費を抑えながらも支援の質を落とさず、自立や社会復帰に向けた生活支援を行う居住空間をご用意いたしました。
費用
初回面談 施設見学 |
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月額料金 |
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心理障害レベル |
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※詳しくは下記URLよりアクセスください。
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