皆さん、こんにちは。

佐藤矢市先生の「パーソナリティ障害の回復には決断と見守る連携が必要」シリーズ第6回目となります。

今回は、10タイプあるパーソナリティ障害の中から、「自己愛性パーソナリティ障害」について解説して参ります。

自己愛性パーソナリティ障害とは?

自己愛性パーソナリティ障害は、「自分は特別な存在だ」という大きく膨れ上がった自己意識を持つことを特徴とするパーソナリティ障害です。

「偉大な自分」にふさわしい、華々しい成功を夢見たり、他人に対して必要以上に尊大な態度を取ったり、特別扱いを求めますが、相手の気持ちには無関心になりがちな傾向も自己愛性パーソナリティの特徴です。

特徴編 ~自分は特別!~

自己愛性パーソナリティ障害の人の基本信念は、「自分は特別なので、称賛され、特別な扱いを受けねばならない」というものなのです。

彼らは見たところ弱々しく、臆病そうな容姿をしていても、心の中では自分は偉大な神のように感じています。

自分が唯一無二の絶対的存在であるだけでなく、非現実的な万能感を抱いていることも珍しくありません。

当然、プライドがとても高く、尊大で傲慢な態度を取ることが典型的です。

自分を「特別な存在だ!」と思っているので、特別扱いされることを当然のように思っています。
要求がましいことが多く、それをすぐに満たしてもらえないと、ひどく不機嫌になったり、攻撃的になることも珍しくありません。

この怒りは、強烈に激しいものが多く、暴言を吐いたり、物を壊したり、暴力を振ってしまう場合も少なくありません。(多くの場合、それは両親に向くことがあります)。

たとえ自分に非があったとしても、相手の不手際や無能ぶりを一方的に責め立てることもあります。

パワーハラスメントやモラルハラスメントの加害者には、この自己愛性パーソナリティ障害の方が多いのはそのためです。

中には、「どうして私をそんなに怒らせるんだ!」というように、自分を怒らせたことに対して怒るという場合もあります。

そして、自分を怒らせた罰として、相手に制裁を加えようとします。

つまり、自分が絶対の基準であり、法律なのです。

自分を怒らせることは正義に反していることで、絶対の悪とみなしてしまうのです。

一度でも悪とみなすと、徹底的に相手を追い詰めていきます。

中には、白黒つけようと意気込み、裁判にまで発展させてしまうケースすらあるのです。

また、妬み深く、他人の幸福を喜ばない傾向も強いばかりか、逆恨みにまで発展してしまいます。

相手が友人や仲間であっても、恋人や配偶者や子どもでさえも、自分以外の者が成功したり、幸福になることに対して、強い羨望や嫉妬を感じ、冷静ではいられなくなってしまいます。

対応編 ~断ること・相談することの大切さ~

自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人はすべて自分のために働いてくれる存在くらいに思っていることが多いので、少し親しくなると、あれこれと図々しい要求を突き付けてきます。

してくれることを当たり前」とみなし、他人に何かをしてもらっても感謝をするということがありません。

親切心でやってあげていると、いつの間にか召し使いのように見なされてしまいます。

逆に何か困って頼み事をしても、自分の得にならないことはあっさり断られてしまうのがオチです。

自己愛性パーソナリティ障害の人を相手にする時は、思い通りになる都合のいい存在にならないように用心する必要があります。

このタイプの特徴は、突然、自分勝手な頼みごとや要求をしてくることです。

そういった場合、相手の振る舞いがどんなに丁寧であっても、取り合わないことが最善なのです。

一度取り合ってしまうと、どんどん面倒なことに巻き込まれるだけでなく、感謝もされず、憎まれ口を叩かれたり、恨まれたりして終わることさえあります。

ですから、彼らの手足となりそうなことをはっきりと断ることが大切です。

特に、ご家族内に自己愛性パーソナリティ障害の方がいる場合には、必ずと言っていいほど、彼らの奴隷や召し使い状態になっている方がいます。

家庭内暴力など、行き過ぎた行為に対しては我慢せずに、第三者機関に相談し、対応することが求められます。

何を必要としているのか

自己愛性パーソナリティ障害の人は、実は小心者で、世間体や他者の評価を大変気にしているのです。

そんな彼らが問題行動を起こした場合には、私どものような第三者が介入することで、意外と落ち着きを取り戻してくれるものなのです。

そして、安心のできる環境で、「自分のことをちゃんと聞いてもらえる」と、お腹の底から思えるようになれば、必ず快方へと向かい、社会復帰へとつながっていくのです。

今起きている問題行動は、回復するための何らかのシグナルのようなものなので、しっかりと対応できれば希望は必ずあります。

そのためにも、当センターを含め、信頼できる支援者を頼ってみてください。