「小さい頃は手がかからなかったんです」
娘さんの発達障害に由来するであろう
問題行動の相談に来られる親御さんから、
この言葉を聞くことは少なくありません。
学校でも大きな問題を起こさず、
先生からも特に指摘されなかった。
友達もいるように見えた。
勉強もそれなりにできていた。
ところが高校生や大学生になった頃から、
・学校へ行けなくなった
・リストカットを始めた
・ホストやメンズコンカフェにのめり込んだ
・親への暴言や暴力が増えた
・風俗やパパ活を始めた
という問題が表面化することがあります。
その背景に、
女性特有の発達障害の特性が
隠れているケースも少なくありません。

「目立たない発達障害」が見逃されやすい
発達障害というと、
「授業中に歩き回る」
「落ち着きがない」
「友達と頻繁にトラブルになる」
というイメージを持つ方も
多いかもしれません。
しかし女の子の場合は
少し様子が違います。
例えばADHDの多動性も、
・頭の中で考え事が止まらない
・不安で常に緊張している
・感情が忙しく動いている
という形で現れることがあります。
またASD(自閉スペクトラム症)の特性も、
・周囲に合わせようと無理をする
・空気を読んでいるように見える
・人を真似して社会生活を送る
といったように、
表面上は目立ちにくいことがあります。
そのため、
「普通にできているように見える」
ような状態が長年続き、
本人だけがその苦しみを
抱え込んでいることがあります。
そして思春期以降、
心の限界が来た時に
問題行動という形で表面化するのです。

問題行動別に見る発達障害との関係
【ホスト依存、推し活依存】
特定の依存行動の中で見られる
発達障害傾向の娘さんの特徴として、
「自分を理解してくれる人が欲しい」
「安心できる居場所が欲しい」
という思いが非常に強い方がいます。
学校などで人間関係に疲れていると、
「君はそのままでいい」
「俺だけは味方だよ」
という言葉に強く惹かれてしまいます。
特にASD傾向のある娘さんは、
人間関係の駆け引きができず、
言葉をそのまま受け取りやすく、
担当のカッコイイ見た目やセリフに
深く入れ込んでしまうことがあります。
そんな折、親が「騙されているよ」
と説明しても、娘さんにとって相手は
「やっと理解者を見つけた」なので、
周囲の忠告が耳に入りません。

【リスカ、オーバードーズ】
感情の整理が苦手な娘さんの場合、
悲しい、悔しい、寂しい、不安
といった感情の波が
一気に押し寄せてしまうことがあります。
健常な人なら時間とともに落ち着く感情も、
本人にとっては激しい苦痛として
長く感じられることがあります。
その苦しさから逃れるために、
・リストカット
・オーバードーズ
・過食や拒食
などに向かうことがあります。
これは「死にたい」というより、
「今の苦しさを止めたい」
という心理が背景にあります。

【親への家庭内暴力】
親御さんが最も傷つく問題の一つが、
娘から親への家庭内暴力です。
しかし発達障害特性がある娘さんの場合、
・予定変更への強いストレス
・感情コントロールの苦手さ
・言葉で伝えることの難しさ
といったことを起点に
爆発的な怒りにつながることがあります。
もちろん暴力という行いは
許される行為ではありません。
ただ、
「反抗的だから」
「性格が悪いから」
だけで理解しようとすると
対応が難しくなることがあります。

誤った対応をしないためには
娘さんを心配するあまり、
「どうして普通にできないの?」
「いつになったら変わるの?」
「みんな頑張っているのに」
と励ましたくなる親御さんも多いでしょう。
しかし本人は誰よりも
自分自身を責めていることがあります。
努力不足を指摘されるたびに、
「やっぱり私はダメなんだ」
という思いを強めてしまうこともあります。
大切なのは結果だけを見るのではなく、
「何が難しかったのか」
「どこでつまずいたのか」
を一緒に考える視点です。
発達障害特性のある娘さんへの対応は、
愛情だけでも、
根性だけでも、
解決できないことがあります。
特に、ホスト依存、風俗勤務
オーバードーズ、家庭内暴力などの
問題が重なっている場合、
親御さん自身が疲弊してしまうことも
少なくありません。
JECセンターには、
「何度話しても伝わらない」
「親子だけでは話し合いにならない」
「もうどう関わればいいか分からない」
というご相談が数多く寄せられています。
娘さん本人にも苦しさがあり、
親にも限界があります。
だからこそ親子だけで解決しようとせず、
第三者を交えながら
状況を整理していくことが大切です。
発達障害の特性を理解することは、
娘さんを甘やかすことではありません。
なぜその行動が起きているのかを理解し、
適切な関わり方を見つけるための第一歩です。
もし今、娘さんとの関係に
行き詰まりを感じているのであれば、
一人で抱え込まず、
まずは現状を整理するところから
始めてみてください。

*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。


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