皆さん、こんにちは。

シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」14回目になります。

面接の場面において、完璧性を強く持ったクライアントさんがとても多いことに気づかされると矢市先生が言っていましたが、これは子どもたちが抱えている共通の心理で、親に対して「もう嫌だ・・もう無理だ・・」という正直な気持ちを伝えることができず、親の期待を無意識のうちに読み取り、その期待から外れないように一生懸命努力を重ねていった結果なのだそうです。

子どもにとっては、親の期待から外れることは「ダメな子ども」のレッテルを貼られてしまう、まさに死活問題といったわけなのですが、今回はこの「完璧主義」についてさらに掘り下げて解説して参ります。

完璧主義の落とし穴

知らず知らずのうちに、子どもの心の中には「完璧な自分でいなければいけない」という自己像(理想像)が作り上げられています。

もしそこから外れようものなら、周囲から避難・批判され、恥をかいて自分の価値がないことに直面するのが怖くなります。

要は自分が価値のない存在であるなんてことは絶対に思いたくないので、完璧であろうとするのです。

そして、完璧主義の大半は「行動できない人」なのですが、これは完璧主義であるからこそ、完璧がかなわないために行動できないという理屈なのです。

「完璧にできないなら、最初からやらない!」と、今まで取り組んでいたものすら放り投げ、突然何もしなくなってしまう人もいます。

内心では行動できない自分を責めていますが、それを続けていると完璧ではない自分と直面し続けなければいけないので、周囲に責任転換を図るようになっていきます。

「自分が完璧にできないのは、周りが悪いからだ・・・」といった感じです。

ですから、完璧主義者は自分にも他人にも理想が高く、二極化思考が強い傾向にあります。

この結果、青年期に入ってくると、より強く完璧発想が作り上げられ、摂食障害や盗癖(クレプトマニア)、リストカット、OD、風俗、アルコール依存、買い物依存、ネット依存、覚せい剤依存、自殺未遂、解離性障害、パニック障害、被害意識、対人恐怖、自閉症スペクトラム障害、心因性不調などの様々な症状が表れてくるのです。

これらの病気としてのつらさが続く中で、激しい敵意や衝動性が伴うようになってくると、パーソナリティ障害としての領域が広まってきてしまうのです。

プライドが邪魔して「弱み」を出せない

面接におけるクライアントさんの代表的な訴えには、「周囲(家族含む)に対して、突然攻撃したくなる。」「周りは全く自分のことを理解していないので分からせたくなる。」「馬鹿にされたり、裏切られたり、利用されたくない。」などがあります。

同時に、自分自身に対して「私は悪くない・・悪いのは周りだ。」「逃げているのは私ではなくみんなだ!」「今までさんざん悪者にされ続けてきた。」「いつも怒られ、何をやろうとしても否定され、一時も休めないよう教育されてきた。」「私ほど我慢し、苦労し、努力してきた人間はいない。」などと訴えます。

親の前ではいつも緊張しながら、ご機嫌を取り、顔色を伺い、けなげに努力を繰り返し、その苦しさを少しでも理解して欲しいと切望しています。

完璧主義も上手く機能している時には、周囲から見ると「優れた向上心を持った前向きな人」に映っているのですが、周囲に対する期待値の高さからの我慢が続くと、徐々に自我が弱り始め、葛藤に直面できずに悩み、苦しみ始めるのです。

こういった悩みや苦しみを、親以外の親友や友人たち(横のつながり)に相談できたり、愚痴を言い合えればいいのですが、プライドが高い完璧主義者は、自分の弱みを表に出せないので、その過程を味わうことができません。

結果的に全て自分の心の中に抱え込まなければいけなくなり、そのキャパシティが限界に達すると、様々な異変となって起こり始め、ついには薬が届きにくいと言われるパーソナリティ障害の世界へと進行していくのです。