皆さん、こんにちは。

これまでに当施設で取り扱い、実際に解決にたどり着いた実績に基づき、全国のご家族が抱える数々の問題(悩み)の特徴や傾向、その対応手段について解説していきたいと思います。

今回は、多く寄せられた問い合わせの中でも件数の多かった「娘や息子から母親に対する暴力」について解説して参ります。

家庭内暴力

家庭内暴力とは、「子どもから親に対して振るわれる暴力」のことを指し、親から子に対して行われるものを「児童虐待」、夫婦間で行われるものを「DV(ドメスティックバイオレンス)」と呼び分けています。

家庭内暴力の主な特徴として、「家庭内でのみ暴力が行われる」ことと、「暴力の対象は弱い立場の人間(主に母親)である」ことが挙げられます。

ちなみに、母親がターゲットにされやすい背景には、子どもと関わっている時間が長かったり、子どもが母親に対して甘えや依存しやすい傾向にあることが理由に考えられています。

実際、警視庁の報告によれば「暴力の対象のうち、約6割が母親である」という統計があります。

暴力の定義は、単に殴る蹴るなどの肉体的なものだけでなく、暴言や嫌がらせなどで精神的に追い詰められてしまうようなものまで含まれます。

子どもの様子はと言うと、親の言うことなど全く聞く耳を持たず、一度頭に血が上ってカッとなると手が付けられない状態で、数々の問題行動を起こしては親を困らせます。

親としても、子どもが何を考えているのかわからないといった心境なのだそうです。

原因

家庭内暴力に陥りやすい傾向や特徴が親と子の双方に存在します。

【子ども側】

  • 真面目でおとなしい性格である
  • 神経質な性格である
  • 友達の数が少ないか、全くいない
  • 家庭内での生活習慣が乱れている

【親側】※父、母のどちらかが該当

  • 子離れができておらず、過干渉である
  • 子どもに対して甘えや依存がある
  • 子どもに対して無関心すぎる

もちろん、親と子以外にも家庭内暴力につながる原因はたくさんあります。

  • 厳しい受験競争、現代社会の疎遠な人間関係(社会的要因)
  • 学校での失敗体験、いじめ(心的外傷)
  • 統合失調症、発達障害、パーソナリティ障害(精神疾患)

このように複雑な要因が絡んでいることもあるため、一概に責任は誰にあるかなどと断定できるような問題ではありません。

親も苦しいのはもちろんですが、子どもも未成熟な精神を病み、行き場のない感情が制御できずに現実と空想の区別がつかなくなっていって、やがてパーソナリティ障害の症状へと向かってしまうといったことも多いことがわかっています。

当施設での対応

家庭内暴力に困った場合は、一般的に最寄りの児童相談所か精神保健福祉センターに問い合わせたり、精神科や心療内科に通わせることが多いかと思います。

ですが、やはり複雑な問題であるが故に的確なアドバイスがもらえなかったり、すぐに解決できずに戸惑っている親御さんが一定数いらっしゃることも事実です。

そもそも言うことを聞いてくれない子どもを家から連れ出すことが困難であるために、行政の介入が難しいという問題もあります。

その点において、当施設は移送会社や精神科病院と提携していることもあり、スムーズな対応が実現可能です。

また、当施設では、初回面談の中で「家庭内暴力の解決には時間がかかってしまう」ということをはっきりとお伝えしています。

同時に多少のリスクを覚悟していただく必要があることも丁寧にご説明しています。

なぜなら、家庭内暴力は放置して長期化してしまうと、事態が悪化して深刻になるという特徴があるからです。

例えば、親が世間体を気にして支援機関を利用していなかったり、子どもが怖いからといって外にも連れ出さず、言うことばかり聞いていたりすると、最大のリスクである「問題の長期化」につながってしまいます。

まず親御さんには勇気を持って当施設に子どもを預けていただくことで、親子間に物理的な距離が生まれ、いったん暴力から逃れることができます(一時避難)。

その間に、親御さんとはじっくり心理相談を交え、子どもには施設の環境と支援サービスを利用して自分を見つめ直していただくことで、家族関係の再構築を目指していきます。

そうすることで、何が原因で、子どもが何を考えていて、どういった心理から暴力に至ってしまったのかという根本的な部分を理解することができます。

本当に問題を解決したいと思うなら、意地や見栄を張らずに、お互いのことを考えた上で私たちのような支援機関にお問い合わせいただければ、必ずお力になれると思います。