皆さん、こんにちは。今回は、パーソナリティ障害(人格障害)の基本的な症状の一部について佐藤矢市先生よりご紹介させていただきます。

パーソナリティ障害の回復への第一歩は、自らの症状を理解することから始まります。

以下に基本症状を5パターンほど挙げておきます。

①両極端で二分法的な認知

『全か無か』『白か黒か』『完璧か失敗か』『敵か味方か』という、中間のない二極対立に陥ってしまうということです。

だから、超ハッピーな状態でも、些細な不満があると最悪な気分にひとっ飛びで変わってしまいます。

さっきまでラブラブだった恋人と突然大喧嘩になり、死ぬだの生きるだの大参事になることも珍しくありません(パーソナリティ障害特性に多い認知)

②自分の視点にとらわれやすい

自分の視点と周りの視点を混同しやすいところがあります。

自分がいいと思うことは、相手もいいと思うはずだと思い込んでしまいます(自己愛性パーソナリティ障害タイプの人に多い認知)

③心から人を信じたり、安心感が持てない

他人を心の底から信じたり、心から気を許したりできにくいところがあります。

相手を試そうとしたり、裏切られるのが嫌で、自分から裏切ってしまうこともあります。

④恐怖感と劣等感

自分に対するイメージが、とても理想的で完璧なものと、劣悪で無価値なものに分かれていて、両者が別々に存在しています。

自分に対しても、「良い所も悪い所もあってよい」とはなかなか思えないわけです(パーソナリティ障害特性として表れます)

⑤怒りや破壊的な感情に巻き込まれ、行動化を起こし易い

心という装置で様々な気持ちや出来事を受け止めることができる許容量がとても小さいので、それを超えてしまうと心のバランスが崩壊してしまいます。

その結果、突然、衝動的な行動に走ったり、自分や相手を損なうような破れかぶれの行為に至りやすく、その時に記憶が飛んでしまったり、別人のような行動を引き起こすこともあります。

まとめ

これらの症状を持つパーソナリティ障害の人の心の特徴は、ある部分で『幼い』『子供っぽい』と言えるでしょう。

実はこうした心の在り様は、発達段階からみてみると、小学校低学年か、それ以下の子供ではごく普通にみられる特徴だからです。

自分自身の特徴をじっくりと観察し、その傾向を自分なりに知っておくことは、回復への近道です。
そのために、専門家とじっくり考えてみてはどうでしょうか。