人格障害に関連したトラブルの中でも、「娘のホスト通いをやめさせたい」という親御さん(ご家族)からの問い合わせ件数が年々増加しています。
ホスト通いがやめられない娘さんたちは世間から”ホス狂(ホスト狂い)”などと呼ばれ、ホストに対して病的なまでの執着心を見せる一方で、他の全てを蔑ろにしてしまう傾向があります。
ホストクラブへ頻繁に通い、分不相応なお金の使い方をしてしまうために経済的に追い込まれてしまうことも大きな問題とされています。
また、最近特に目立つようになってきているのが”未成年によるホスト通い”です。
今回は、多様化するトラブルを解決したい親御さんたちに向け、人格障害宿泊施設(以下当施設)がこれまでに得てきたホスト関連のありとあらゆる情報をご紹介していきたいと思います。
どこからがホス狂?
自分の身の丈に合ったお金の使い方で、尚且つ月に1回ペースでホストに通っているくらいならホストクラブは趣味の範囲と言ってもいいでしょう。
では、どこからがホス狂と呼ばれるのかと言うと、一番わかりやすい基準はホストクラブへ通うことが生活の中心となっているような状態です。
頭の中では24時間ホストのことばかりを考えていて、何をしていても身が入らなかったり、他のことが全てどうでもよくなってきたら赤信号です。
もう一つの基準としては、娘さんの金銭事情からも判断できます。
貯金を崩すようになったり、友人や家族、消費者金融などからお金を借りるようになったり、手っ取り早く風俗やパパ活なので稼いでホストに貢いでいたなら、立派なホス狂です。
「私は大丈夫!」なんて娘さんが言っていたとしても、ホストクラブへ行っている時以外に楽しみや生きがい、趣味などがない生活を送っている様子でしたら要注意です。
時間の問題でホス狂の沼へとハマっていってしまうでしょう。
なぜハマってしまうのか?
ホストクラブにハマってしまう娘さんたちの多くは、何らかの精神疾患を抱えている(あるいは疑いがある)可能性が高いと言われています。
特に、幼少期に親から十分な愛情が得られなかったことが原因で発症する「愛着障害」や「人格障害(パーソナリティ障害)」といったものは、ホス狂と関連の深い代表的なものです。
そんな娘さんたちにホストクラブへ行くようになったきっかけはと聞いてみると、友人や知人からの誘いが最も多いことがわかっています。
最初は興味本位で1回だけのつもりが、自分のことを特別扱いしてくれるかっこいいホストに魅了され、心が満たされていくうちに、気づいたら何度も通うようになっていたという流れです。
これは、娘さんが未成年である場合は特に注意が必要です。
未成年の娘さんは思春期に特有の不安定な精神状態に加え、家庭に居場所がないと感じていたりすると、低い自己肯定感や強い孤独を感じていることがあります。
そんな心の隙がある状態で、自分のことを何でも肯定してくれるホストに心を掴まれ、幸せや魅力を感じて心の拠り所としてしまうのは当然です。
親としての悩み
娘さんのホストトラブル解決のために、親御さんはご自身でインターネットを使ってありとあらゆる「ホスト通いをやめさせる方法」について調べ尽くされていることも少なくありません。
しかし、「実践してみたがどれも思った効果が得られなかった」という話もよく耳にします。
ネットに載っていた方法で娘さんを説得したところ、「ホストに行けなくなるくらいなら死んでやる!」とまで言われてしまった親御さんもいらっしゃいました。
これは決して情報そのものが間違っていたわけではなく、通常の方法が通用しないレベルにまで娘さんの状態が悪化してしまっているということを示唆しているのです。
先に述べたように精神疾患が原因に多いとは言っても、ほとんどの親御さんたちはまさか自分の娘が精神疾患であるなどとは考えません。
そのため、自分たち(親御さん)が本気でなんとかしようと思えば説得(解決)できる問題だと信じ、誰にも相談せずにひたすら調べては試すを繰り返してしまいます。
そうしている間にも、娘さんは毎日のようにホストクラブへ足を運んではお金を浪費し、精神を病み、事態はますます深刻になっていくばかりです。
そしてついに手詰まりになったところで、初めて親御さんは”誰かに相談する”ことを検討されるのです。
解決のために
ホス狂の娘さんが起こすトラブルは、お金のことばかりではありません。
昼夜逆転生活による健康不安、交友関係の断絶、社会性の喪失、うつ症状による自傷行為(リストカットなど)やOD(多量服薬)、自殺企図(自殺未遂)などなど…。
これらは全てホスト通いを中心とした生活を送るようになってしまった影響によるもので、次から次へと新たな問題が積み重なっていくと、解決がより困難になっていきます。
トラブルを複数抱えた娘さんに対し、一時的(短期間)にホストから隔離した生活を送ってもらったとしても、必ず同じことを繰り返してしまいます。
なぜなら、単にホストから引きはがすだけでは、心に抱えた問題は解決することができないためです。
もちろん、解決のための第一手として隔離措置は必要ですが、そこからさらに娘さんの心に焦点をあてたケアを行い、抱えているトラブル全てをきれいさっぱり解決していかなければなりません。
当施設では、そうしたことを踏まえてホストトラブル解決の現場では、およそ5~8人ほどの専門家たちに協力していただいて多種多様なトラブルに対応しています。
専門家たちと言われてもピンとこない部分もあると思いますので、具体的なサポートの流れを一つご紹介したいと思います。
【当施設のサポート例】
当施設では、親御さんから「娘のホスト通いをやめさせたい」とのご相談をいただいた後、まずは娘さんのホスト通いの実態を探るために身辺調査の専門家に依頼して情報を集めます。
次に、警察や弁護士などにも参加してもらい、法的なサポートを得て安全確保を図ります。
そして一番の難関である娘さん本人を医療へつなげるための説得や、身柄の移送を専門とする業者に依頼します。
ホストとの関係を完全に断つために入所された当施設では、スタッフたちの見守りと心理士による心のケアが行われます。
その間、必用に応じて診断や処方のために地元病院へ往来することもあります。
心理ケアを継続していくことで次第に精神疾患や依存症状が緩和されていき、娘さんの再発防止や社会復帰へとつながっていきます。
以上が当施設で実際に専門家たちと連携して行った、ホストトラブル完全解決のためのサポート例です。
私ども専門家ですら、連携することでやっと対処できるレベルの難しい問題だということがお分かりいただけたでしょうか?
ご家族だけで手に負えないと感じた時は、抱え込まずに当施設へご相談いただければ、協力機関総出で全力でサポートさせていただくことをお約束いたします。
豆知識:依存度で変わる対応
最後に、ホストトラブルで悩まれている親御さんたちのためにちょっとした豆知識をご紹介したいと思います。
インターネット上に載っている「ホスト通いをやめさせる方法」には、次のようなものがよく見受けられます。
- 独り暮らしをやめさせ、実家に戻す。
- ホストとの連絡を絶たせる。
- 新しい趣味を作らせる。
- 一般人の彼氏を作らせる。
- 家族や友人に説得してもらう。
- ホストの現実を知らしめる。
- カウンセリングを受けさせる。
これらの方法は、ホストへの依存度がまだ低いうちであれば有効な手段であると覚えておいてください。
もしも精神疾患の疑いがある場合や、ホストに洗脳でもされたかと思われるほど依存が深刻な場合は、医師や専門家たちに相談し、サポートを要請する必要があります。
次のような症状が見られる場合は重度のホス狂である可能性があるため、早急に相談されることをおすすめいたします。
- 昼夜逆転生活による健康被害が見られる
- お金の無心、夜職、パパ活などをしている
- ホスト以外の交友(人間関係)が断絶している
- 人格障害などの精神疾患と診断された
- 薬物、アルコール、SEXなどに溺れている
- 自傷行為やOD(薬や麻薬の過剰摂取)などが見られる
ちなみに、これらの問題は当施設で行っている回復プロセスの中で改善が見込めるものばかりです。
例えば、当施設ではホスト通いがやめられなくなってしまった娘さんが入所された際、利用者同士で自然と友達になったり、助け合ったり、共感し合うことで、徐々に失った社交性を取り戻すことができます。
また、施設に常駐している心理士がカウンセリングなどを通してホスト通いがやめられない心理を読み解いて、根本的な解決へ向けたヒントを探っていくことができます。
普段の生活においても、スタッフたちが見守り、心のケアを意識して行っていることで、再発防止につながる心の回復が見込めます。
もしもこの記事をご覧になっている親御さんの中で、「娘のホスト通いをやめさせたいけど、誰かに相談するのはちょっと抵抗がある…」とお考えの方には、私どもからお伝えしたいことがございます。
やめさせたい気持ちはあるけど、相談はできない。それにはきっと家庭の事情、世間体、経済的な理由などがあるということは理解できます。
むしろ、そうした諸事情や親御さんの複雑な気持ちを含め、思い切って全て相談していただけたらと思います。
誰にも頼れないという孤独は精神的にも耐えがたく、苦しさが伴うものです。
娘さんを気づかうあまり、抱え込みすぎて親御さんのほうが先に倒れてしまったという話も決して少なくありません。
そうして親子共倒れになってしまう前に、勇気を出して専門家に支援を持ち掛けることは、結果として娘さんを救うことにつながるのではないかと思います。
まだ未来ある娘さんのためにも、どうか最善の手を尽くしてあげてください。
私どもはそんな親御さん、娘さんを家族単位で応援しています。
専門施設として「パーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」
施設長
佐藤矢市
2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
費用
初回面談 施設見学 |
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初回面談の特典 |
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宿泊料金 | 支援ニーズにより異なります。まずはお問合せください |
※詳しくは下記URLよりアクセスください。
心理障害グループホーム「地上のひかり」
施設長
佐藤靖人
2021年度に開設し、この度「JECパーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」と業務提携を結びました。
心理障害を抱えた方に向けて、心理ケアやスポーツが盛り込まれた生活を通し、楽しく学びながら成長し、将来への希望が見出せます。
月額利用費を抑えながらも支援の質を落とさず、自立や社会復帰に向けた生活支援を行う居住空間をご用意いたしました。
費用
初回面談 施設見学 |
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月額料金 |
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心理障害レベル |
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※詳しくは下記URLよりアクセスください。