139ce10d273d48fc3359c18de677cfc1_s今回は、パーソナリティ障害者(その疑いのある)を抱える親(特に母親)としての心構えについていくつか紹介していきたいと思います。

私は、当センターに皆さんをお預りする前に、必ず保護者と面接を実施します。

もちろん、それまでの経緯やその中での苦しさ、辛さについてもお聞きしていきますが、母親の心の叫びにもしっかりと耳を傾けます。

その中で多くの母親の訴え・叫びにはある共通点があるように感じます。

母親の叫び・訴えとして一番多いのは、親亡き後の子どもの人生に対する不安や心配です。
注)子どもとは、50代くらいまでの成人期も含みます。

その次は、実際に「どう子どもと接したらいいのか、どう対応したらいいのか」という具体的で実践可能な質問です。

母親という立場の中には、パーソナリティ障害に関する様々な専門書を読んで自分なりに勉強したり、知識が豊富な方々がいます。とても熱心な方々ですね。

しかし、専門書通りには行かなかったり、打つ手がなくなり途方に暮れている方々がいるのも現実です。

過去に与えられなかった子どもへの愛情を再び与え始めようとする母親もいます。

私の愛情が子どもの心に届いて、少しでもよくなってくれれば・・・」と切実に願っている母親もいます。

しかし、その願いとは逆に、子どもは母親に対して、一方的にお金や物を要求してくることがあります。

または、「私の人生がこんなになったのはお前のせいだ!私の人生を返せ!」などと母親として一番痛い所を攻撃し、脅してきます。

そんなことを繰り返していると、母親の心の中には、「母親としての私の子育ては失敗だったのではないか」という想いが湧いて出てきます。

実は、この罪悪感こそが、子どもにも伝わっていて、子どもの自尊心に大きな影響を与えていきます。

分かりやすい例で言うと、母親が「ごめんなさい」と子どもに伝えた場合、その多くの場合、子どもは逆上して攻撃の度合いが増してきます。

「ごめんなさい」という言葉は、子ども側の罪悪感に油を注ぐような言葉なのです。

多くの場合、子どもは、親の期待通りに生きていない自分を責めているので、そこに親からの「ごめんなさい」が加わると「そんなに私の存在がごめんなさいなのか!」と攻撃性が増してくるというわけです。

子どもの訴えの本質を知っておく

1cd9658f1f4e41208fc0194f1fcad46c_sそんな中、母親として「どう子どもに対応していったらいいのか」、その心構えを以下に紹介したいと思います。

いくつかありますが、その中で今回は一つ目の心構えについて紹介したいと思います。

まず、子どもの訴えている本質を知っておく学習をすることです。

本質というのは、子どもが「金をよこせ!あれを買って来い」など様々な要求に答える事とは違います。

摂食障害を繰り返す娘に「そんなに食べ吐きするな!」と一方的に怒鳴りつけ、食べ物を管理することとは違います。

子どものそういった要求の背景にある気持ちを汲み取ってあげることが必要です。

これは子ども側からの要求に答え続けてきた母親にとっては、とても難しいことかもしれませんが、練習することで学習・習得できるものです。

では、その本質とは一体何でしょうか。

私たちの臨床経験から、いくつかの例を挙げておきたいと思いますので、参考にしていただければと思います。

例えば、子ども達が訴える本質というのは「寂しかった・・・お母さんにもっと構って欲しい・・・もっと甘えたい!私が頑張ってきたことや私の努力を認めて欲しい・・・愛のある家庭が欲しかった・・・私は家族の犠牲になってずっとやってきた・・・」などです。

要は、事柄よりも子ども達の気持ちにフォーカスして受け止めてあげることが重要です。

最初はうまく出来なくても大丈夫です。

たとえ、受け止めてあげることができなくても、母親として、子ども達が様々な要求を訴えてくる裏には、本当はこういう気持ちを持っていながら色々な要求を訴えてくるんだと理解しておく事が重要です。

次回は、母親としての心構えの中でも、最も重要な点について紹介していきたいと思います。

尚、父親としての心構えについては、今後のテーマとして改めて取り上げていきたいと思います。