パーソナリティ障害の回復過程には、どの様な兆しがみられる?


パーソナリティ障害の回復過程にはいろんな兆し(変化)がありますが、その中の一つをあげるとするなら、「自信が戻ってくる」という変化が大きいと私どもは理解します。

自信というのは、自分に対するある種の肯定感のようなもので、「今の自分でもよい」「この自分でダメじゃない」「自分らしい生き方を大切にしたい」など、自分であることへの確からしさや安心感につながる感覚のように私どもは理解します

こうした感覚は、誰もが本来持つもので、日常的な困難を乗り越えるエネルギーとして使われているものです。しかし、パーソナリティ障害者では、そうしたエネルギーの活用がどうも妨げられてしまうようで、自分であることへの疑問や不全感の方にばかり意識が奪われてしまいます。

心理サポートでは、そうした不全感や疑問などを尊重しつつも、自分をもっと肯定したい(認めたい)、自分であることを実感したいといった気持ち(素直な欲求)も並行して扱っていきます。

そうした作業が熟してくいくうちに、その人の中には、「自分(今)を大切にしようとする感覚」が確かに芽生えて、不用意(ムリ)に自分を責めたり、周りの意見や顔色ばかりを気にするのとは違った心の使われ方が生まれていきます。

その心の使われ方は、現在の自分をもっと大事にしようとするエネルギーとして働き、ある種の肯定感(「それでもよい」「ダメじゃない」など)を自分に向けるようになる変化(成長の兆し)としてみられます。

もし、お薬だけでは「改善しない」と感じている方は、一度、心理サポートのご利用も検討していただければと思います。