症状
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。
そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。※1
人格障害者施設・宿泊心理センター
体験談
過去に当施設へ実際に入所されていた「パニック障害(不安障害)」を抱えた男性がいました。
彼は幸運なことに、4ヶ月という短期間の入所にもかかわらず見事に社会復帰を果たされました。
表向きは強気な印象を周囲に与えがちな彼は、その裏で突如訪れる不安やパニック発作を恐れながら、夜な夜な母親に「死んだ方がマシだ…」などと電話をしていた時期がありました。
そんな彼が快方へと向かうようになった転機は、人に自分の気持ちを打ち明けられたことだったと思います。
同時期に入所していた仲間たち、心理スタッフ、生活スタッフ、施設長に対して、自分の辛かった過去や怖かった体験を話し、共感してもらえたことで少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
後に彼は、不安やパニックにどう対処すればいいかという技術的なものから、心理的なアドバイスを積極的に聞き入れていました。
その結果、彼は入所中にアルバイトを始められるほどにまで成長されました。
結論から言ってしまうと、彼のパニック障害が完全に消えたわけではありません。
それでも彼が就労できるまでの回復を見せたことには、彼のこころの大きな変化が理由として挙げられます。
それは、彼が仲間たちと不安を共有し合ったことで得られた安心感に加え、知識や技術を身につけたことによる自信を獲得されたからではないでしょうか。
※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」こころの病気を知る、パニック障害・不安障害
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