皆さん、こんにちは。

最近様々なメディアでよくこんな記事を目にします。

「運動や筋トレをすると、うつ病のリスクが下がる」

実はこれには科学的な裏付けもしっかりとあるのです。

うつ病の治療には、「セロトニン」という物質の分泌量を増やす効果がある「抗うつ剤」が処方されますが、これは体内のセロトニン分泌量の増加によって、うつ病の改善が見込まれる効果があるためです。

抗うつ剤以外にも、運動や筋トレをして脳が刺激を受けることで、分泌量を増加させることが可能なのだそうです。

他にも、適度に体を動かすことでもたらされる疲労感によって不眠が解消されたり、テストステロンの分泌を促し、ドーパミン生成による幸福感でストレスが軽減されたり、運動や筋トレが習慣化されれば自己管理につながり、気持ちのコントロールも少しずつできるようになってきます。

そして更に、運動や筋トレにはもう一つの大きなメリットがあることも実証されています。

それは「キヌレニン」という物質の分解効果です。

キヌレニンとは、うつ病や統合失調症などを患っている人の体内で著しく増加している傾向にあり、精神疾患に関与していると考えられている物質です。

つまり、体内のキヌレニンを分解し減少させることができれば、うつ症状を改善する効果が期待できるということです。

しかし実際の所、まだこのキヌレニンがどのように神経系へ影響するかについて、正確なことはわかっていません。

それでも多くの実験結果では、このキヌレニンが脳に到達することによって、うつ症状を示すことが明らかになっており、筋トレや運動をすることによる骨格筋への刺激から発生するたんぱく質に、キヌレニンを分解できる酵素が誘導されることも判明しています。(引用元:ハコジム

アメリカのAmerican Journal of Preventative Medicine(アメリカ予防医学学会誌)によれば、週に150分程度のトレーニングをすることによって、鬱になるリスクを63%も下げることができるそうです。(引用元:アメリカ予防医学学会誌

体を動かすことは身体的な健康の維持はもちろん、「心」の健康にも欠かせない要素なのかもしれませんね。

日本はまだまだ海外に比べて「トレーニング後進国」という表現をされていますが、これを機に、「自分には運動が不足しているかも?」と感じている方は、日常に簡単なトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

精神疾患における運動の有用性について説明して参りましたが、次回は当センターで実施している「スポーツセラピー」の様子を詳しくご紹介したいと思います。