皆さん、こんにちは。
保護者の方からの相談で、比較的多い内容は「我が子に病識がなく、本当に困っている・・・」というものです。
親としては、「何とかしてどこかにつなげたい!」と願い、あの手この手を使って、病院や施設など第三者機関に連れて行こうとしますが、当の本人は、暴れたり、叫んだりして、「何で俺(私)を病人扱いするんだ!」と逆に親が責められてしまうこともあります。
中には、夜通し子どもが親を座らせて、延々と「いかに親が悪いのか!」と説教し続けるケースも珍しくありません。
子どもの立場からすれば、「悪いのは、おかしいのは全て親だから、治療を受けるのはお前たちだ!」という言い分なのです。
子どもの気持ちも分からなくもないですが、この発想が強くなっていくと、被害妄想へと発展していき、親と子の水掛け論になってしまい、なかなか話し合えない状態となり、最終的に溝が深まってしまうことが多いようです。
病識がない子ども達の共通点:
病識がない子ども達の共通点は、「自分だけが今まで苦労し続け、我慢してやってきた。自分だけが世界一苦労してきた。だから皆とは違うし、この苦しみは誰にもわかるはずがない・・・」と思い込んでいる点です。
彼らは物理的に家族と一緒に居たとしても、心の中には常に孤独感を抱えています。
「家族と一緒にいても、自分だけ無人島にポツンといるような感じ。誰も自分のことを理解してくれない!」という感覚です。
この心理を理解せずに、「どうやったら病識を自覚してもらえるのだろう?どこに行ったら改善できるのか?まだ我が子は立ち直ることができるのか?」と多くの親御さんは悩み続けていきます。
中には、何とか医療機関につながったというケースもあります。しかし、主治医の先生やカウンセラーの先生と一対一で、色々な話を一生懸命したとしても、その繰り返しに疑問と限界を感じ、途中で治療自体が中断になってしまうことが多いのも事実なのです。
結果的に、ますます「病識」に気づくことが難しくなってしまい、事態が深刻化してしまうのです。
次回は、当センター内で、彼らがどうやって「病識」に気づき、自覚していくのかを実践現場から解説していきたいと思います。