症状
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返すなど、日常生活にも影響が出てきます。
意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。※1
日常生活に支障がでるほどの強い「恐怖感」「不安感」「こだわり」を抱え、まるで「頑固者」のようになってしまうのが強迫性障害の主な症状です。
人格障害者施設・宿泊心理センター
問題行動
次のような行動が見られる方は、強迫性障害の疑いがあります。
- 人から見れば無意味とも思えるルーティーンワーク(儀式行為)をやめられない。
- 人に危害を加えられるかもしれない思い込み(被害妄想)に支配されてしまう。
- 強い思い込みと、病識(病気の自覚)のなさで、周囲を困らせてしまう。
このような行動によって日常生活に支障をきたしてしまう場合は、医師または専門機関への相談をおすすめします。
克服
強迫性障害のもっとも大きな悩みは、その完璧主義者ともとれるこだわりの強さによって、対人関係に大きな影響を与えてしまうことにあるでしょう。
例えば、当事者にとって自分の「こだわり」や「行動の繰り返し」を否定されることは、あたかも「自分と敵対している」と思い込んでしまう言動になり得ます。
そのたびに周囲の人間に脅かされてしまうという強い不安感を抱いてしまい、症状は悪化、長期化を引き起こすという負のループが発生してしまいます。
つまり強迫性障害の克服のためには、この「不安感」にどう対抗していくかが一つの大切なカギとなってきます。
当施設では長年の臨床経験から、強迫性障害を抱えた当事者のこころが真に求めているものは「安心感」であるとの見解を持っています。
実際に、不安を消してあげようとすることよりも、もっと大きな安心を与えてあげることで、当事者たちの強迫観念や行動が周囲に与える影響を緩和できていることを確認しています。
まず、当事者との「信頼関係の構築」に始まり、「家族の暖かな支援」、そして「こころの理解」、これらを医師や専門家と連携して継続的なケアを受けていただくことが必要であると考えます。
※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」心の病気を知る、強迫性障害
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