皆さん、こんにちは。

今回は、パーソナリティ障害の中でも、頑固屋でなかなか融通が利かず、完璧主義が強い「強迫性パーソナリティ障害」について佐藤矢市先生よりご紹介させていただきます。

このタイプは、自傷行為などの破壊的行動はあまり見られず、むしろ決められたルールを淡々とこなしていこうとするタイプです。他責や他罰の傾向も見られます。

何事にもパーフェクトを目指して努力する頑張り屋です。
しかし、自分のやり方に強いこだわりを持っていて、それを変えることに強い抵抗を示します。

摂食障害の背景には、境界性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害が隠れているケースが少なくありません。

食べ物や食べ方、起床時間や睡眠時間、日常の生活パターンに人並みならぬこだわりを持っています。

生真面目すぎる頑張り屋さん

ある30代の女性は、毎食(1日2食)まるごとの玉ねぎを3個まるかじりしていました。

血液はサラサラになるでしょうが、周囲にとってその臭いはたまったものではありません。
周囲がその習慣を変えたほうがよいと言っても、一切聞く耳を持ちません。

彼女なりの強いこだわりがあるわけですね。

また、強迫性パーソナリティ障害の心には、高い理想像がありますが、これを本人だけでなく、家族や周囲にも、『私は我慢している!』『わかってくれて当然・・』『配慮すべきだ!』という強い願望が生まれます。

その基準に周りが応えることが出来ない場合には、時として激しい怒りを表現することもあります。

親が強迫性パーソナリティ障害だった場合

当たり前の話ですが、こうしたタイプを親に持つと、子供は伸び伸びできません。

自然な愛情よりも、その人が良いと信じている方法や信念を貫くことが優先されるあまり、第三者から見ると、虐待に等しいことを強いてしまう場合もあります。

本人()は、そうすることが、子供のためだと思い込んでいる場合が多いからです。

回復のためには

強迫性パーソナリティ障害の人は、努力すれば必ず報われると信じて、頑張り続ける人ですが、頑張ってもどうにもならない状況に陥ると、行き詰ってしまいます。

このタイプの人の回復目安には、「頑張ったとしても自分の思うようにならないこともある。むしろ、生きているとそういうことの方がたくさんある。なるようにしかならないか!」という発想に気づけること、そして強迫行為を徹底してやり抜いた末に、「もう本当に疲れた・・・もう面倒くさくなった」という気持ちを心底持てるかがポイントになります。

時間が経過すれば治るものではありません。
私達とじっくり向かい合う場面を作っていただきたいと願っています。