皆さん、こんにちは。
先日、卒業生Aさん(30歳代女性)が、久しぶりにセンターを訪問され、入所当時の心理面について語ってくれました。
Aさんは、自傷行為の常習で、何度も入退院を繰り返した後、親(父)の決断で数年前に当センターに入所された方です。
本人の同意を得たうえで、Aさんが語ってくださった内容を一部ご紹介いたします。
自分をもっと試したい!
入所前は、一人でいることに耐えられなかった私でしたが、今はアパートに一人暮らしを始め、その環境にもだいぶ慣れてきて、毎日元気に過ごしています(笑)。
職場では、数か月前から正社員として働かせてもらっています。
振り返ってみると、パーソナリティ障害支援センターでは、小さな出来事から大きな出来事まで一つ一つの体験が学習材料になっていたと思います。
何より物事を「素直に楽しむ」ということを学べたことは、今の仕事にとても役に立っていると感じています。
今は、「自分の能力をもっと試してみたい!」という前向きな気持ちが表れているように思います。
昔は、「自分なんて・・・」というのが口癖で、自分を信じることがまったくできていませんでした。
職場で色々な不満やうまくいかないこともありますが、時々「もう辞めちゃおうかな~」と思う時があります。
でも、そんな時はスタッフの方に愚痴を聞いてもって「また、やってみるか!」という気持ちになれます。
つながりという心の支え
物理的にはセンターと離れていますが、心の中には、センターで過ごした時間や思い出、先生を始め、スタッフさんや研修生とのつながりが今の私の安心感になっています。
センターのように自由という環境の中で、じっくりと自分自身と向き合い、常に専門家が近くにいて、丁寧にサポートしてくれる場は、他にはないと思っています。
ましてや病院とは、まったく違った宿泊支援は特にスペシャルだと思います。
私が困っていたように、今もどこかで途方に暮れている当事者やご家族の方々をこれからもサポートしてあげて下さい。
安心感と信頼感を抱ければ、自分なりの人生を歩み始めることができる
Aさんのように宿泊支援という環境の中で、安心感と信頼感を抱くことができれば、より健全な方向へ心のエネルギーを費やすことができ、それに伴い自分なりの人生を歩み出すことができるようになると信じています。