人格障害のような精神疾患や発達障害の疑いのある子どもが成人した後も頻繁に問題行動を起こしているご家庭は全国に数多くいらっしゃいます。
そのほとんどの親が、自分たちだけで子どもの身の回りの世話をし続けようとする傾向にあります。
しかし、いずれ訪れるであろう体力や精神力の限界から、グループホーム、支援施設、病院などに子どもを預けるしかなくなってしまうことも少なくありません。
ところが、子ども本人に反抗されたり、意に反して無理に入所の話を進めてしまったがために逆恨みを買い、失敗に終わってしまうということも大いにあり得る話です。
そもそもの問題として、
「受け入れ可能な施設が見つからない」
「施設の探し方がわからない」
「本人(子ども)に納得してもらえない」
といった保護者(親)側が抱える悩みにぶつかることで挫折してしまうこともあります。
今回は、切羽詰まった状況にあるご家族に向けて、子どもを施設へ預けるために必要なことをいくつかアドバイスしたいと思います。
※具体的な方法等に関しまして、私どもの運営する施設(下リンク参照)のやり方を例にご紹介しています。
施設の探し方
障害者を受け入れている施設やグループホームのほとんどは、入所を申し込む際に前もって自治体などへ申請する必要は特にありません。
”申し込み”に関しては目当ての施設に直接問い合わせる方法が一般的ですが、”施設を探す”段階においては、まず最初に最寄りの自治体(社会福祉窓口)へ問い合わせてみてください。
もしも近くにそのような窓口がなかったり、窓口で思うような施設が見つからなかったという方は、次のような方法をお試しください。
- ケースワーカー、ケアマネージャーなどに紹介してもらう。
- 自力でネット検索して探す。
自治体やケースワーカー、ケアマネージャーたちに問い合わせて希望する施設を紹介してもらえればよいのですが、そこまでしてもなお見つからないという話も実際多く耳にします。
「自力でネット検索」する方法は、パソコンやスマートフォンなどの扱いに長けていないと厳しい反面、県内外を問わず広範囲にわたって探すことが可能です。
※ネット検索の仕方については次の通りです。
- スマホやパソコンからGoogleなどの検索サイト(アプリなど)を起動。
- 検索キーワードを入力。※例「家庭で起こっている問題(家庭内暴力など)」、「子どもの症状(診断名など)」、「施設」、「入所」
- 希望する施設の情報が見つかるまでページを読み進める。
ネット検索するうえでの注意点は、”ローカル検索”という便利な機能があだになってしまう点にあるでしょう。
ローカル検索とは…
「検索をしている場所の位置情報を元に、近い物から結果に反映させる機能のこと」
簡単に言うと、条件に合うものの中で、近い物件から順番に表示していくというものです。
最寄りの自治体や窓口で紹介しきれないような県外の施設をネット検索しようとすると、なかなか出てこないのはこうした理由からです。
人格障害を専門とする当施設も、県外からの入所を積極的に受け入れていると謳ってはいますが、他県からネット検索すると後ろのページに埋もれてしまうことも少なくありません。
ネット検索をする際のコツは、時間と余裕のある時に根気よく何ページも探していただくことで、目当てのページが見つけられると覚えておいてください。
確認事項と入所までの流れ
苦労の末、希望する施設が見つかった後は、申し込みをする前にいくつか確認しておかなければならないことがあります。
まず、施設ごとの入所条件(障害の種類、程度、障害者手帳や障害区分認定の必要等)についてよく目を通しておく必要があります。
たいていの場合、”障害者手帳”や”障害区分認定”の提示を要求され、条件に満たない場合は入所が認められないといった但し書きがあるものです。
こうした決まりのせいで「症状が軽度の方」や、「まだ障害の疑いがある段階の方」たちが利用できないことも多く、ここで断念してしまうご家族も多くいらっしゃるようです。
当施設では手帳や認定の有無を問わずに受け入れを行っているのですが、そうした施設はまだまだ少なく、悩みを抱えたまま受け入れ先を探し続けているご家族のことを考えるといたたまれなくなります。
ご参考までに、当施設へ入所をご検討の方に向けて説明している「入所開始までの流れ」をご紹介しておきます。
【JECパーソナリティ障害宿泊・支援センター】の場合
- お電話、メールなどにて簡単な現状説明等を行っていただきます。
- お伺いした内容から相談員(施設長)が判断し、ご利用の可否をお伝えします。
- ご利用に向けた初回面談(見学、体験、料金等の説明)のご案内がございます。
- 体験後、入所利用意思の確認と本契約。入所支援開始。
【心理障害グループホーム「地上のひかり」】の場合
- お電話、メールなどにて、利用者本人の情報説明を行っていただきます。
- お伺いした内容から相談員(施設長)が判断し、ご利用の可否をお伝えします。
- ご利用に向けた初回面談(見学、体験、料金等の説明)のご案内がございます。
- 体験後、入居利用意思の確認と本契約。入居生活開始。
ご本人の説得の仕方
おそらくこれが一番骨が折れるであろう「子ども(ご本人)の説得」の仕方についてご説明します。
ご家族だけでの説得は一歩間違えると怪我や事故などのリスクや、状態の更なる悪化などが予想され大変危険です。
説得にあたっては、まず第三者である専門家などの介入を検討してみてください。
専門家と言っても決して”誰でもいい”というものでなく、説得の経験が豊富な専門家がいますので、そうした方を頼ることをおすすめいたします。
例えば、精神科医や心理カウンセラー、家族相談員などが代表的なもので、ご家族とご本人様の架け橋となって危険を伴わず、円滑に交渉を進めることができます。
実際に当施設でも長い経験と実績のある相談員や心理士がその役を担っており、ご本人にどのように訴えかけていけばよいかということに関して誰よりも長けています。
このような協力者の介入によって、同意のもと円満に施設入所へと移行することが可能となってくるのです。
最後に。施設入所をお考えのご家族へ
「できることなら子どもは家族だけで面倒をみてあげたい…」
親御さんたちはこうした想いから、これまでひたむきに頑張ってこられたことや、その心労は筆舌に尽くしがたいものであったと思います。
しかし、寄る年波や、経済的な問題、子どもの将来への不安から、心身ともに限界を感じてしまったことも受け止めがたい現実であったことでしょう。
それでも、自分たちと子どもが今後どう付き合っていくかを考え抜いたうえで、施設への入所をご決断されたのではないかと思います。
私どもは仕事柄、ご家族だけでどうにかしようと悪戦苦闘し、限界を超えてまで頑張ってしまった方々の凄惨な姿を目の当たりにしてきました。
そうした最悪の状況へと至る前に施設入所をご決断されたことは、決して「子どもからの逃げ」や、「子どもを見捨てる」といった行為ではないことを断言いたします。
限界を迎えて共倒れになってしまう前に、親御さんには一刻も早く肩の荷を下ろしていただいて、専門家という協力者を得て助け合いながら進んでいく道をご検討いただけたなら幸いです。
専門施設として「パーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」
施設長
佐藤矢市
2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
費用
初回面談 施設見学 |
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初回面談の特典 |
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宿泊料金 | 支援ニーズにより異なります。まずはお問合せください |
※詳しくは下記URLよりアクセスください。
心理障害グループホーム「地上のひかり」
施設長
佐藤靖人
2021年度に開設し、この度「JECパーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」と業務提携を結びました。
心理障害を抱えた方に向けて、心理ケアやスポーツが盛り込まれた生活を通し、楽しく学びながら成長し、将来への希望が見出せます。
月額利用費を抑えながらも支援の質を落とさず、自立や社会復帰に向けた生活支援を行う居住空間をご用意いたしました。
費用
初回面談 施設見学 |
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月額料金 |
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心理障害レベル |
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※詳しくは下記URLよりアクセスください。