皆さん、こんにちは。心理学の世界でも「感情」というテーマは難解とされ、日々研究されています。
我々人間にとって切っても切り離せない要素の一つである感情についての理解を深めるという事は、様々なメリットをもたらしてくれることでしょう。
この記事を通して皆さんも感情について一緒に考え、理解を深めてもらうことで、人生がより豊かになることを願ってご紹介していきます。
感情の理解を深めることのメリット
皆さんは「感情に振り回されて失敗してしまった」と思えるような経験はありますか?
心理療法などにも応用されているように、感情とはその理解を深めることで、うまく向き合うことのできるものです。
そして、人付き合いをもっと上手く行うためのコツ(メリット)をもたらしてくれます。
そもそも感情とは何なのか?
私どもは、人の心の問題を扱い、寄り添う仕事を長くしていると、感情というものは「その人の深い所にある欲求」を表しているのではないかと思うことが多々あります。
その例を一つ挙げてみます。
【Aさんの怒り】
Aさんは毎日真面目に仕事をこなす社会人です。
ある日、仲の良い友人Bさんから、何の気なしにそっけない態度を取られてしまいました。
するとAさんの心の中で次第にイライラ(怒りの感情)が込み上げてきて、それを抑えきれなくなったAさんは、Bさんに暴言を吐きつけてしまったのです。
「なんであなたは私に対してそんな態度を取るの!」
Bさんは、わけもわからずAさんの勢いに驚いてしまい、二人はその後数日の間気まずい雰囲気になってしまいました。
要約すると、Aさんは「怒り」の感情をそのままBさんにぶつけてしまい、そのために二人の関係性はギクシャクしてしまったのです。
ではAさんはなぜ、Bさんのそっけない態度に「怒り」を感じてしまったのか?
その真意を知るために、後日、冷静になったAさんに改めて話を伺うと、意外なことがわかりました。
Aさんが「怒り」の裏に抱いていた本当の欲求は、日頃、真面目に仕事をこなしている自分をBさんに『もっと認めて欲しかったり』『ねぎらったりして欲しかった』というのです。
心理学では、「傷つき」と「欲求・願望」は表裏一体であると言われています。
今回、AさんはBさんの態度に傷つき、怒りを感じ、そのままぶつけてしまったことで、その裏に隠れた欲求・願望であるところの『認めて欲しい』『ねぎらって欲しい』ということは伝わりませんでした。
もし、Aさんが自分の本当の欲求・願望に気づけていたなら、違った表現の仕方があったかもしれません。
もっと具体的に言うならば、その理解があることで、表情や声のトーンなどは違っていたでしょうし、マイナスの印象(誤解)を与えるような表現も避けられていたかもしれません。
つまり、人付き合いをもっと上手に行えたということです。
これらの出来事から、感情を抱くということは、「心に何か欲求が芽生えた」ということを意味し、気づかせてくれるメッセージなのかもしれません。
コミュニケーション技術の向上
先述した意味を理解したうえで、感情を抱いた時、実際に行動に移る前に少し考えてみる癖をつけてください。
考えた結果、自分のしたいこと(して欲しいこと)と感情が一致しているならそのまま表現してもいいでしょう。
時には、表面的な気持ちとは裏腹なメッセージ(欲求・願望)の存在に気づかされるかもしれません。
このように、「自分の真の欲求」に気づくことができるなら、もっと自分を自然に表現できるでしょうし、またそれによって人付き合いにおける感情の浮き沈みも調節しやすくなるでしょう。
感情を理解するという作業には、こうしたメリットがあるのです。
またべつの機会に、今回とは違った観点から感情との上手な向き合い方をご紹介して参ります。