パーソナリティ障害者が入退院を繰り返すのは、どうして?

 

パーソナリティ障害者が入退院を繰り返すのは、誰よりも本人が頑張っている証拠です。退院が出来ることも、そもそも退院許可の水準にまで「精神機能が回復した」ことの証しであり、その方が持っている回復力とも言うべきポジティブな部分でしょう。

とは言え、入院経験が複数ある当事者との語り合い(心理カウンセリング)では、「もっと気持ちを聴いて欲しかった」「話せる時間が欲しかった」などの感想を受けることも少なくありません。

ひょっとすると、パーソナリティ障害者の困難(周囲に分かってもらいたい事)とは、自分の気持ちを語ることが難しく感じているという事ではないかと私どもは想像しています。

特に、パーソナリティ障害者の気分問題は、アイデンティティに関する問題が多くあり、それをどの程度扱えるかによって、その方の改善度(表出される感情の熱量(問題行動の程度))も変化するように感じられます。心理職の意見からすれば、入退院を繰り返すお子さんの背後には、そうした「アイデンティティの生きづらさ」に関するケア(援助)を本人たちは求めているのではないか、と思えてなりません。