わが子は病識が低いですが、どう接したらいいですか?

病識の低いというのは、「別の問題を訴えている」可能性があるのかもしれません。親子間で「問題の認識」が異なることは珍しくはありません。

特に、パーソナリティ機能や生きづらさの悩みというのは、周囲に見えづらいもので、また伝えづらいものです。

問題を自覚してないかの様に見えるからと言って、「何も考えていない」訳では決してありません。むしろ、「本人なりの病識」を持っていることの方が少なくないのです。

そこで、そのようなお子さんと接する際は、「本人が困っていること」に焦点を当てて、積極的にその話を扱ってみてはどうでしょうか(その扱い方が分からない場合は、専門家の助言やサポートを参考としてください)。

お子さんにとっては、自分の話をさえぎらずに聞いてもらえる体験(必要なら時間を決めて)、そして、そのつらさをありのまま認めてもらえる体験は、とても貴重な時間となり、真の居場所(安心)を本人に与える関わりともなります。

また、そうした関わりを積極的に使えるようになると、親子間の絆や信頼はもっと強まり、また親御さんの自信の強化にもつながるでしょう(お子さんの事がもっと分かるようになり、接し方のコツも分かるようになるからです)。

これは、パーソナリティ障害者に限った話ではありませんが、そのご家族との心理支援が奏功する際、必ずと言って良いほど、前述のような関り方が(親子間・家族内に)生じているよう思えてなりません。さらに、専門家のサポートをそれ以上必要としなくなったご家族では、同じような関わり方がもっと積極的に行われていることを私どもは観ております。

「病識の低い?」と思える場合は、まずお子さんが「困っていること」に注目してみてください。きっと、その理解の中にこそ、今の親子関係(家族関係)を成長させるコツがあるはずです。