婿がパーソナリティ障害と思われるが、娘にどう接したらよい?

お婿さん(娘さんの夫)がパーソナリティ障害と思われる際の対応については、「お嫁さんがパーソナリティ障害と思われる際の対応」と同じです。

その基本は、義理親による「口出し、手出しには限界がある」ことを理解しつつ、娘さんの気持ちに沿った援助に徹していただきたく思います。

たとえ、娘さんから、たくさんの不満や悩みを聞いたとしても、それに親がすぐ反応したり、口や手を出すことは却って状況悪化を招きかねず「控えた方が賢明」であると言えます(但し児童虐待の疑われる場合はこれに限らず、早期の介入が必要です)。

と言うのも、お婿さんの中には、「見放されたくない、否定されたくない…それを分かって欲しい」などの思いが働いているかもしれず、本来は、娘さんによる対応や援助を求めているお婿さんがいるかもしれません。

ですから、義理親がその間に割って入ると、お嫁さんの中の心情は余計に揺さぶられてしまい、その影響が、お婿さんの状態悪化を引き起こしたり、またそれに応じる娘さんの負担増(経済的、精神的、肉体的)を引き起こしたりもするのです。

そこで、対応の基本としては、あくまでも「行動の主体は娘さんにある」として、親御さんには、その状況を見守りつつ、娘さんの混乱を冷静に受け止めたり、整理してあげる等の援助(心の援助)を検討していただきたく思います。

とは言え、お婿さんの行動や病態によっては、精神科医療や保護の対象(入院治療など)となる場合もあります。その際も、出来る限り、息子さんの意見と息子夫婦の関係(状況)を尊重しつつ、義理親として出来ることを探していただきたく思います。

この辺りのコツについては、当センターが豊富な臨床経験をもっており、より具体的なご相談に応じることができます。どうぞお問合せください。