高校生、大学生のお子さんが「感情の変化が目まぐるしく、相手をしていられない」「落ち着いていたかと思えば、急に激怒する時がある」ということはありませんか?

 

このような症状を持っている方は、未成年のパーソナリティ障害(人格障害)である可能性が高いと言われています。

 

特に、未成年のうちからホスト通いやパパ活、メン地下などに夢中になっている娘さんの多くがパーソナリティ障害の特性と合致していることがわかっています。

 

例えば、「推し(特定のホスト)の本命(彼女)になりたい!」という動機から、

 

・1人(推し)のために周囲や自分さえもないがしろにする。

 

自分の言動の全てを正当化するようになる。

 

物事を白か黒かという極端な思考で判断するようになる。

 

といった性格へと変化していってしまいます。

 

こうなってしまうと一般社会における集団の中で生きていくことが苦痛となり、「怖さ」から逃げ続ける日々を送るようになっていきます。

 

そんな中で唯一、ホストクラブやメン地下で推し(彼)一人に集中するという「怖さ」を考えなくていいマジックに浸り、ひと時の解放感に依存するようになるのです。

 

特に、パーソナリティ障害の中でも境界性パーソナリティ障害(以下、ボーダー)と呼ばれる方たちは良好な人間関係を築く(継続する)のが苦手で、耐えがたい生きづらさを感じている傾向にあります。

 

今回は、そんな未成年のパーソナリティ障害やボーダーの方たちが集団で研修している施設「パーソナリティ障害障害宿泊・心理センター」のスタッフ目線から、ボーダーが人間関係を維持していくために必要なことについて解説していきます。

 

【目次】

1.関わりたいのに馴染めないワケとは

2.集団の中で生きていくために

 

1.関わりたいのに馴染めないワケとは

パーソナリティ障害宿泊・心理センター(以下、当センター)で行っている研修の中には、ボーダーと診断された未成年の方(または疑いのある)が数名参加されています。

 

そんな方たちが持つ共通の悩みのひとつに「集団の中でうまく馴染めない」といったものがあります。

 

しかし一方で、これまでの経歴を伺ってみると職場や学校などで問題なく立ち回れていた時期もあったという話を教えてくれます。

 

「じゃあなんとかなるんじゃない?」と思ってしまうかもしれませんが、当の本人たちの心中は決して穏やかではなかったそうです。

例えば、親しい間柄の友人がいたとすれば「どうして私(自分)の気持ちを理解できないのか…」と内心モヤモヤを抱えていたり、自分より優秀な人がいれば「なぜあの子にできて私にできないのか…」とイライラを募らせていたと言います。

 

こういった感情は誰しも普通に抱くもののように思われるかもしれませんが、決定的に違う点は“その度合いが段違い”というところです。

 

数字で表すなら、普通という基準が10だとすればボーダーが感じる指数は1000くらい(それ以上?)はあるかもしれません。

 

これだけ感じ方に差があると、人によっては“些細な出来事”でもボーダーにとっては“無視できない大事件”であると認識してしまうことにも納得がいきます。

 

そのような生きづらさレベルの悩みを抱えたボーダーが楽になるには、人と交わらずに生きていった方がいいのでしょうか?

 

実はボーダーの心理を知れば知るほど、人との関わりは切っても切れないものなのだと痛感させられます。

 

なぜなら未成年のパーソナリティ障害やボーダーは、誰よりも人との絆や信頼、愛情に飢えているからです。

 

当センターで研修されている未成年のパーソナリティ障害、ボーダーの方たちは今まさに自分の中にある飢えへの対処法を学んでいます。

 

「感情の処理の仕方」

 

「人との折り合いの付け方」

 

今よりも楽な生き方(自分なりの関わり方)」

 

それらをスタッフたちと一緒に考え、探している最中なのです。

 

 

2.集団の中で生きていくために

「良好な人間関係が続かない(築けない)」

 

未成年のパーソナリティ障害やボーダーに多いこの種の悩みを解消するためには2つの要素が必要不可欠です。

 

一つ目は、自分の特性についてよく知ること。

 

そして二つ目は、周囲の理解と協力を得ることです。

 

しかし、独学で自分の特性を学ぼうと意気込んでみてもメンタル面の好不調の波に左右され、継続は困難です。

 

周囲の理解や協力を得るにしても、専門的な知識や経験を持たない家族や友人などがその役を担うのは負担が大きいでしょう。

 

また、ボーダーが人間関係を築くうえで一番の壁となる“強い不安感”をケアし続けていくことも容易ではありません。

 

孤独を恐れる強い不安から疑心暗鬼になったり、相手の感情に過剰なほど敏感になったり、ふとした刺激で感情が爆発してしまうと周囲(特に親しい人間)を巻き込んだトラブルへと発展してしまうことさえあります。

 

当センターは、長年のパーソナリティ障害の臨床研究で得た専門知識を活かし、この二つを同時進行で学び、得られる環境にあります。

 

本人とご家族(親御さん)を交え、未成年のパーソナリティ障害やボーダーが抱える心理を知り、何を必要としているのかを理解してもらうことで集団の中でも安心して生活を送れるようになる体験が得られるのです。

 

そんな環境に魅力を感じていただいた方から、今日も研修の問い合わせが届いています。

 

 

・「パーソナリティ障害宿泊・心理センター」のサポートについてはこちら