風俗勤めに執着する娘との葛藤
「うちの娘が風俗嬢なんて…何がなんでもやめさせなければ!」
そう躍起になる親御さんとは裏腹に、風俗勤めを必死に肯定しようとする娘さん。
JECセンターでは、そんな家族の構図を何件となく見てきました。
風俗勤めを続ける娘さんの多くは、短期間で高額収入を得られる環境に強い執着を抱きます。
世間体として如何なものかと問われると、「友達もやっている」「別に違法なことはしていない」といった反論が返ってきます。
風俗勤めを肯定するために「お客さんに喜んでもらえるとやりがいを感じる」「自分の価値はここにある」と訴え、やめる意思がないことを突きつけてきます。
頑なな態度を取る娘さんに親がいくら強く止めようとしても反発しかなく、家庭内は険悪な状態に陥りやすいのです。
お手上げ状態は親の限界の予兆
大切な娘さんが風俗勤めをしていたら、9割の親はやめさせたいと願うのが自然でしょう。
しかし、当の本人にその気がないため、親は「もうお手上げだ」と感じやすくなります。
お金を無心されたり、頻繁に嘘をつかれたり、感情的な言い争いが絶えなければ、親の心は疲弊していきます。
また、「周囲に知られたくない」という恥の感情から、誰にも相談できず孤立してしまうことも多いのです。
その結果、家庭内で抱え込むしかなく、いずれ必ず親の精神的限界が訪れるのです。
民間の専門機関を選択肢に
「風俗は絶対やめない」と言い張る娘を、親だけで救うことは極めて困難だと説明してきました。
それは単なる問題行動にとどまらず、精神的な依存や良くない人間関係、金銭感覚の崩壊、そして親子関係の不和などが複雑に絡み合った結果起きた現象だからなのです。
こうした複雑な家庭内の問題を行政(警察や福祉窓口)に相談しても、親が望む助言が得られることは稀です。
そこで最後の砦となってくれる存在が、民間の専門機関です。
もちろん、JECセンターもそうした専門機関の一つです。
中でもとくに「親子関係の修復」という視点を持った専門機関の介入が、解決の糸口となる可能性が高いと言えます。
その理由については、次の段落からご説明していきます。
風俗勤めをやめさせるためのプロセス
JECセンターが風俗勤めをやめない娘さんに対し、どのようなアプローチを行っているのかについて知りたい方は多いと思います。
当たり前ですが、頭ごなしに「ダメだよ」「やめなさい」などと言ったりはしません。
施設で娘さんを一時預かりしている間、本人の思想や行動を否定せず、「何を思い、何を感じているのか」という本音の部分を掘り下げた話を少しずつ聴きだしていきます。
最初こそ多少の反感をぶつけられることもありますが、否定しない寄り添いを続けていくことで信頼関係が築けるのです。
施設を出た後も必ず同じことを繰り返してしまわないよう、この「娘さんへの理解」という手順はとても重要なプロセスのひとつです。
また同時に、親御さんが持たれる「なぜ娘が風俗勤めに依存するのか」「親は何をしたらいいのか」といった疑問にもお答えしていきます。
そして、親と娘、両者への理解が進んでいった先で、お互いの落としどころを見つけることができるようになります。
最初はお互いの主義主張すらまともに聞く耳を持たなかった親子も、JECセンターとの関わりを通して冷静に話を聞く準備が整います。
こうした家族の深い部分に介入していくサポートは、病院やクリニックなどではなかなかやってくれない領域です。
私ども民間の専門機関ならではの手法かもしれませんが、効果は今までの実績からも保障できます。
この記事を最後までご覧になられた親御さんは、きっとこれまで娘さんのためにあらゆる手を尽くしてこられたことでしょう。
娘さんのことを想って行動しても、裏目に出てしまったり、反感を買ってしまったり、苦労が絶えなかった経験はありませんか?
そして、そんな陰の努力に気づいてくれる人も、身近にいなかったのではないでしょうか?
過酷な状況の中、本当に今日までよくがんばってこられましたね。
娘さんを救うため、私どもにできることがあればご相談いただけませんか?
JECセンターは、そんな親御さんの味方です。
*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。