娘が親に暴言、暴力を振るったり、
リスカやODを繰り返している。
時には自殺をほのめかしたり、
自殺未遂までしたことがある。
このような状況になると、
親は冷静でなどいられません。
「生きた心地がしない…」
「今度こそ危ないかもしれない…」
怖さ、悲しさ、罪悪感。
いろいろな感情が押し寄せます。
そして、いつの間にか親自身が、
「娘をどうすればいいのか」
ではなく、
「娘を刺激しないためには」
といったことばかりが頭を巡り、
娘を腫れ物扱いしていることがあります。
ここで親がしてはいけないことは、
娘の感情の変化に合わせて、
親の態度や判断を変えてしまうことです。

娘の感情を親が引き受けすぎない
娘が激高する。
娘が号泣する。
娘が「死にたい」しか言わない。
自分を傷つけたり、薬を一気飲みする。
そのたびに親が、
「今は何も言わないほうがいい」
「娘の言う通りにしておこう」
となってしまうことがあります。
もちろんこうした対応は、
娘さんのことを想ってのことです。
自暴自棄の背景にある苦しさを
理解しようとする姿勢に他なりません。
しかし、
娘さんの気持ちを理解することと、
娘さんの感情に親の言動まで
支配されてしまうことは少し違います。
親が全てを受け入れてさえいればいい。
こうなってしまうと、
親は「娘を支える人」ではなく、
娘さんの感情が崩れないように
調整する人になってしまいます。
このように親が娘さんの感情を
一人で背負う必要はありません。
娘さんの苦しみを受け止めながらも、
「親として何をする必要があるのか」
この二つを分けることが重要です。

親の我慢でやり過ごそうとしない
例えば家庭内暴力などでも同じです。
娘さんが暴れていて手に負えない時、
親が、「娘も苦しんでいるから」
と我慢を続けてしまうことがあります。
暴言を受けても我慢する。
物を壊されても我慢する。
暴力を受けても、
「刺激しないように」と耐える。
自傷行為が起こった場合も、
「何か言ってまた自傷したら怖い」
という思いから、
何も言えなくなることがあります。
しかし、
親が耐え続けることが、
娘さんの支えになるとは限りません。
その前に、家庭はどんな状況なのか。
客観的に整理する必要があります。
娘さんの苦しさを理解するために、
親が傷つき続ける必要はありません。
また、「娘を守るか、突き放すか」
という極端な二択も必要もありません。
娘さんを大切にしながら、
問題行動は見過ごせない。
娘さんの苦しさを理解しながら、
必要に応じた適切な支援を施す。
そうした考え方もあります。
よくある事例として、
親がギリギリの限界まで我慢してから
ようやく相談したという話があります。
そうではなくて、
「娘を家庭だけで対処するのは難しい」
と感じている時点で、
専門家に相談し、意見を聞いてみる。
それも親としての大切な判断です。

今をしのぐより大事なこと
娘さんの暴力、自傷が起きている家庭では、
どうしても目の前の激しい出来事に
意識が集中してしまうものです。
今日はほとんど暴れなかった。
今日はリストカットをしていない。
今日は感情が落ち着いている。
「少し良くなったのかも」と思う。
反対に、
またいつものように暴れ出した。
また泣きながらリストカットした。
だから「変わっていない」と思う。
これは少し違います。
娘さんの状態を考えるとき、
今起きたことだけで判断してしまうと、
親はそのたび振り回されてしまいます。
昨日は落ち着いていた。
今日は荒れている。
明日はまた普通に話す。
そのたびに、
「もう大丈夫だ」
「やっぱりダメだ」
と判断が変わってしまう。
大切なことは、
一日単位の出来事だけではなく、
「娘はどのような状態にあるのか」
を、長い視点から見ることです。
暴力や自傷が起きる前後には
どのようなことがあったのか。
娘は自分の感情を
どの程度コントロールできているのか。
落ち着いたあとに、
自分の行動を振り返ることができるのか。
家族以外の人との関係はどうなのか。
生活そのものはどうなっているのか。
こうしたことを総合して考えなければ、
正確な状況判断はできません。
そして、ここまで考えられたとしても
親には分からないことがあります。
それは仕方のないことです。
親は一番近くにいるからこそ、
感情が入り、冷静に全体を見る
ということが難しい場合があります。
だからこそ、
「何をすればいいのか分からない」
「どう判断すればいいのか分からない」
となったときに、
親だけで答えを出そうとしないでください。
これらは単純に「やめなさい」と言って
解決する問題ではありません。
娘さんの苦しさを理解すること。
親自身が傷つき続けないこと。
そして家族全体を客観的に見ること。
そのために、
第三者の力を借りることもできます。
娘を守るためにも、
まず親が一人で抱え込まないことと、
状況を相談できる相手が必要です。
娘の状態を正しく理解しながら、
親として必要な判断をする。
それが娘さんと向き合うときに、
親自身を守ることにもつながります。

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