症状
双極性障害とは、極端に調子がハイテンションで活発的になる躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態の2つの病相を繰り返す心の病気です。※1
人格障害者施設・宿泊心理センター
体験談
病院で境界性パーソナリティ障害と診断され、当施設に入所されてからも躁うつ症状に悩まされていた女性がどうやって回復していったのかを簡単に紹介します。
彼女は境界性パーソナリティ障害と診断されているせいで医療機関への入院を断られ続け、自殺企図を繰り返した挙句、ケースワーカーの紹介で当施設へと辿り着きました。
彼女はこれまでに、社会では対人関係での失敗を繰り返し、家族からは「ダメ人間」「怠け者」呼ばわりされるなど、症状に理解を示してくれる人が身近にいませんでした。
入所してからの彼女は、うつ状態が落ち着いている時(または躁状態にある時)などに、自分のことを理解してもらいたくてたくさんの話を周囲にして回りました。
これまでと大きく違い、彼女の話に誰もが根気よく耳を傾け、否定しないことに彼女はとても驚いていました。
周囲に理解されることの喜びをたくさん体験した彼女は、日に日に自己肯定感を取り戻していき、躁うつ状態も以前ほど激しく表れることはなくなっていきました。
そして努力の結果、彼女は福祉関係の仕事に就くことができ、充実した日々を送れるようにまで成長されました。
双極性障害では、補助的に薬物治療を並行して行うことも多いですが、薬などでは行き届かない領域、つまり潜在意識に変化をもたらさなければ根本的な回復には至りません。
周囲が自分を理解してくれる環境と、そこから育まれる自己肯定感が「こころ」に与える良い影響には計り知れないものがあります。
※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」こころの病気を知る、双極性障害(躁うつ病)
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