皆さん、こんにちは。

シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」も35回目となり、第一部はひとまずこれで最後の記事となります。

今回は家庭内暴力に焦点を当てて、例を挙げながらその傾向や特徴などを解説して参ります。

暴力は外にも向かうのか?

家庭内暴力を繰り返す子どもの多くは、実は家の外で他人に同じように暴力を振るうことはほとんどありません。

ですが母親たちは、「自分たちにあれだけひどい暴力を振るう子だから外で問題を起こしてしまわないだろうか?」と心配してしまいます。

家では親をまるで仇のように殴る蹴るなど繰り返していた子どもですから、心配になってしまうのも当然です。

こういった心配は同じ境遇の親御さんなら誰しも考えることですが、予想に反して子供たちは家から一歩外に出ると、実に温厚でおとなしく、礼儀正しい素振りを見せるのです。

これは子どもたちの持つ、「その場その場においての最適な自分を演じる力」が成せるわざなのです。

家庭内暴力を繰り返している子どもの中には、親に対して激しい暴力を振るっておきながら、自ら110番通報してしまう方もいます。

普通に考えたら自分が加害者なわけですから、警察官が来たら完全に不利な立場になってしまうと思うものですが、彼らの発想は少し違っているのです。

110番通報によって駆けつけた警察官たちに、自分が親からどれほどの辛く苦しいしつけをされてきたのかを延々と訴え続けていくのです。

しかも、感情的に取り乱したり、興奮したりもせずに、淡々と冷静かつ客観的に説明することができるのです。

そんな姿に警察官の方々も、「これ以上はご家庭内の問題ですので」と親と子どもに注意を促し、不介入の姿勢を示して帰っていってしまうのです。

親としても、どう対応したらよいのかわからず、ますます両者の親子関係に危険が増していってしまいます。

家庭内暴力を繰り返す子ども~20代男性Aさんの例~

当時20代だった強迫性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害を抱えた男性のAさんは、ひとしきり親に暴力を振るったあと、家を飛び出して勝手に外泊したかと思えば、所持金を浪費して交番へ飛び込み、親のせいで人生が破たんしたという話を警察官に長時間訴え続けていました。

最後は警察官から親に連絡が入り、交番まで引き取りに向かうといった流れです。

Aさんはこの件で味をしめ、場所を変えては何度も何度も同じ手口を繰り返しては親を呼び出し、尻拭いをさせていました。

警察官はAさんの話を優しく聞いてくれるし、時には現実生活の困窮さに解釈や励ましを根気強くしてくれるので、Aさんにとって警察官は怖い存在ではなく、自分の味方であり、よき話し相手でありました。

親からすれば、警察官に厳しく子どもを諭して欲しいと願っていたようですが、Aさんは自分の気持ちを理解してくれる警察官を巧みに利用しては、親の期待をことごとく玉砕し、親を自分の奴隷と化していってしまいました。

親を支配下に置く子ども~境界性パーソナリティ障害者Bさんの例~

一方で、境界性パーソナリティ障害を抱えるBさんは、親に経済力のある比較的裕福な家庭に居ました。

Bさんの家庭内暴力は母親に向かい、泥沼とも思える状態が数年続いていたそうです。

Bさんは普段から、気分の赴くままに遠方まで外出し、その交通手段としてタクシーを使いまわし、支払い金額は月に8万~10万円もかかることもありました。

厄介なことに、タクシーから降りた後、料金を自分で支払うということはせず、無賃乗車を繰り返しては親に支払わせていたのでした。

親も警察に「子どもの無賃乗車である」ことを訴え続けてきましたが、親に収入があることを熟知している子どもは、罪にならないという真実をうまく利用して、よりいっそう親を自分の支配下に置き続けてしまうのです。

警察官に頼るのではなく

ともに境界性パーソナリティ障害を抱えるAさんにもBさんにも言えることですが、親(家族)だけで解決していこうとすることはまず不可能に近いと言えます。

精神科医などの専門機関を頼るなどして、協力し合いながら、長い目を見てゆっくりと解決していくしかないのです。

AさんとBさんのその後はと言うと、数年かかってしまいましたが、症状は落ち着いて親への暴力や支配力は収まり、それぞれが自分の人生をちゃんと歩み始めています。

このように、誰にでも回復の見込みは必ずあるので、自分たちだけで無理をせず、信頼できる支援機関を見つけてみることをおすすめします。