皆さん、こんにちは。

シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」32回目になります。

今回は、パーソナリティ障害の基本症状の一つである「自他の境界が曖昧」ということについて解説して参ります。

曖昧な感覚が引き起こす問題

パーソナリティ障害の人は、自分と他者の境界が曖昧で十分に区別できていないために、自分と他者の感じ方はそれぞれ異なっているのだということが頭では分かっているつもりでも、実際の場面では混同してしまいやすいのです。

結果的に自分の視点でしか物事が見えず、自分の考えや期待を周りに押し付けてしまったり、自分の問題を周りのせいにしたり、いつの間にか周りの問題にすり替えてしまったりということが起こってきます。

要するにパーソナリティ障害の人は、客観的に自分を振り返って(周りの人の立場になって)考えるということが苦手(未学習)なところがあるので、いつも混乱の中に身を置くことになってしまうのです。

家庭内暴力にもつながってしまう

家庭内暴力の場面などでは顕著にこの特徴が表れ、母親を自分の延長の一部とみなして、自分の欲求を満たすことが当たり前だといった風に考えていきます。

例えば、ある30代男性は買い物リストを母親に渡し、要求したものを買ってくるように指示しました。

ところが買い物リストに書いてあったものと母親が実際に買ってきたチョコレートの銘柄が自分の希望のものとは異なっていたために、「なんでこの程度のことがわからないんだ!」と突然激しい罵倒を浴びせ続け、「俺が苦しんでいるのはお前のせいなんだぞ!」といった調子で、何時間と説教をし始めました。

この例えにおいても、「母親なら自分の要求を何も言わなくても分かってくれるはずだ」という錯覚を抱き、それに母親は応えるべきだと捉えるため、それが満たされない場合に激しい攻撃(家庭内暴力)へと変わってしまうわけです。

このようにパーソナリティ障害の人は、自分を絶対視してしまいやすく、それ以外の考えは一切受け付けられないのです。

そして自分にとって何か都合の悪いことが起きると、自分に問題があったからだとは考えずに「周りに問題がある」と、問題の原因をすり替えていきます。

その時だけは自分を守れるのでしょうが、結果的には周囲を振り回し、疲れさせ、一番恐れているはずの「孤独」に身を置かざるを得ない状況へと自ら追い込んでしまうのです。

違いを受け入れる

回復の過程には、自分と相手は別の人格で、人にはそれぞれ都合というものがあり、違っていてもいいんだという考え方に気付けることが重要です。

しかし、違いを受け入れるということは、それに伴う「孤独」を受け入れる覚悟も必要になってくるのですが、その精神状態を獲得するまでには、ある一定の時間と、コツのようなものが必要です。

地道で、時間のかかる途方もない作業のようにも思えますが、当センターではそういった部分において専門性を発揮し、みなさんに合った支援を提供していきます。