皆さん、こんにちは。

今回より新たに、シリーズブログの第二部「同じ悩みを持つ母親たちがここにいる~There’re mothers just like you~」が始まります。

1回目となる今回は、ある家族のケースを例に挙げて、父親不在によって起こる「機能不全家族」に至ってしまうプロセスや問題について解説して参ります。

父親が不在の家庭

とある家庭の父親は社会的に成功した立派な父親でしたが、家庭外での活躍にエネルギーと時間を使い果たして、家庭(子ども)に関心や手間暇をかけられませんでした。

その結果、父親の機能的な不在が生まれてしまったのです。

父親の帰りは毎晩遅く、家には寝るためだけに帰ってくるようなもので、家族内の会話にも、父親のことはほとんど話題にあがらなくなっていました。

子どもたちにとっても、父親がいない方が普通であり、たまの休みの日に父親が家にいたりすると、逆に落ち着かなくてどう接していいかわからず、他人行儀になっていたそうです。

「母親」という存在が鍵

ここで母親がキーパーソンになってくるのですが、特に大切なことは「母親が心の中に抱く父親像」であり、母親が父親に対してどう思っているかが重要になってきます。

もしも父親が不在であったとしても、母親がしっかりとした父親イメージを持って、子どもに対して父親の肯定的意見を伝えることができたり、社会の掟や秩序に対する敬意を持って、家庭内でバランスを取ることが出来たなら、父親が不在で起こる機能不全状態にはなり得ません。

しかし、母親が強い孤独感、自己否定感、被害者意識、抑うつ状態、他者を責めたり攻撃するなどのいずれかの性格があった場合には、多くの場合、家庭は崩壊へと進んでしまいます。

こういった母親の場合、本来は夫婦関係の中で満たされるべき「孤独感」を、子どもとの関係性の中で満たそうとします。

そこに母子との共依存関係が出来上がり、「子どもは母親のために、母親は子どものために尽くしていく」という縮図が出来上がるのです。

父親不在で起こる機能不全は、子どもたちの心の発達や、精神的な安定、社会適応ができるか否かに深く影響し、自立プロセスにおいても様々な困難や支障を生じやすくしてしまいます。

例えば、息子にとっては「男性」としての行動規範やアイデンティティを確立するためには、3歳から5歳ころに、父親との身体的な関係が大切であることは知られています。

不安定な教育環境が、発達障害やパーソナリティ障害(または行為障害)などの増加に影響し、社会問題となっていることも現状です。

自閉症スペクトラム障害が爆発的に増加している背景でも、父親との間に安心できる関係性を持てずにいる子どもたちが、外傷性としての歪みに蝕まれているのです。