皆さん、こんにちは。

シリーズブログ「パーソナリティ障害が治るきっかけ」最終回となります。

このシリーズではパーソナリティ障害を抱えた当事者たちがどのようにして快方へと向かっていったのかを、当施設の臨床経験から見えてくる「治るきっかけ」に焦点を当てて考察してきました。

今回は今までの総まとめとして、パーソナリティ障害が治るとはどういうことで、治るためのきっかけをつかむには結局何が必要だったのかについてご紹介して参ります。

治るために

パーソナリティ障害とは、「思春期から青年期にかけて見られる感情・認知・衝動の制御とそれに伴う対人関係に著しい偏りがあり、その影響が家庭や職場(学校)などの社会的生活に支障をきたす状態」のことを言います。※関連記事「パーソナリティ障害とは」

つまり、パーソナリティ障害が治るということは「社会生活に必要な能力を身につけ、支障なく生活が送れる状態になること」であり、私たちのような支援機関はそこを目標にして、その人に応じた適切な支援を日々続けています。

これまでも説明してきた通り、治るためには当事者と支援者との信頼関係の構築と、長期支援を受けるための忍耐力(家族と当事者)、そして当事者が自分自信の特性に気づくための様々な「きっかけ」が必要不可欠です。

パーソナリティ障害は決して治らないわけではありませんが、回復までに非常に辛抱強く治療や支援を続けていく必要がある精神疾患であると知っておいてください。

信念と希望

今回のシリーズブログでは、パーソナリティ障害が治るために必要な「きっかけ」をつかむことの大切さを、次のような事例と共に説明してきました。

これらはあくまで当施設における過去の回復事例から読み解ける「きっかけ」の中のごく一部にすぎません。

私たちは支援者として当事者たちを身近で見ていて、快方へ向かうためのきっかけが日常に数多く存在し、その機会は当事者に幾度となく巡ってきていることを知っています。

しかし当事者たちは、残念なことにそのきっかけを見逃してしまったり、認識できていないことがほとんどです。

なぜこのように、みすみすきっかけを逃してしまうのかとういことを説明するためには、実際にきっかけをつかむことができた人たちに共通している点を説明する必要があります。

きっかけをつかんでいった方たちの共通点は、当事者(家族含む)が回復に対して前向きな意思と姿勢を持ち、信念や希望のようなものを常に抱いていたという点です。

その違いが視野を広げ、物事を素直に受け止め、治るためのきっかけを見逃さずにつかむことにつながっていました。

つまり、何事も最初から疑っていたり、信用していないようでは、たとえそれが真実であったとしても虚構であると捉えてしまい、結局何も得ることは叶わないということが言えます。

当施設では、当事者やご家族との信頼関係の構築を念頭に、この数多ある「治るためのきっかけ」を確実につかんでいただくためのサポートを日々行っています。

お子さんの現状にお悩みであり、どうにかしたいと願っておられるならば、お問い合わせよりご相談くだされば必ずお力添えいたします。

今、パーソナリティ障害を抱えて思い悩んでいる方も、俯いたりせずに顔を上げて、ぜひ回復への信念を持って前へ進んでいただけたなら、見落としていたきっかけに気づくことができて、希望への道が開けるかもしれません。

私たちはそんな皆さんに寄り添い、支援という形でお手伝いをしています。