日本におけるお母さんたちは、往々にして頑張り屋さんのように感じます。

 

ジェンダー役割に厳しい世の中になったとはいえ、家族の世話や家事全般をこなしているお母さんはまだまだたくさんいらっしゃいます。

 

本来であれば、そんな頑張り屋さんのお母さんたちに、感謝こそされど、責められるようなことなど決してあってはなりません。

 

それでも子どもたちは、そんなお母さんの気遣いをよそに、反抗的な態度をとったり、無視したりと、苦労に追い打ちをかけるようなことをしてくるものです。

 

こんなことが続いていては、お母さんなんて”やめたくなってしまう”も当然ですね。

 

今回は、その”いやになってしまう”原因の一つである母子の間の「共依存関係」を紐解き、お母さんたちに少しでも希望を持っていただけたらと思います。

 

 

世話焼きがやめられない

子どもの問題行動と聞くと、家庭内暴力、不登校、引きこもり、借金、ニート、アルコール・ギャンブル・ゲーム依存などをよく耳にします。

 

全てがそうとは言いきれませんが、実は、その多くが母親との「共依存関係」の文脈で生じていることがあります。

 

「共依存関係」と聞いても、依存症と違ってまだまだ聞きなれない方も多いかと思います。

 

ですので、最初に「共依存関係」とはどういったものなのかについて簡単に知っておきましょう。

 

例として、

  1. 母親が世話焼き人
  2. 父親が家庭に無関心
  3. 子どもが依存症

といった、共依存に多く見られる家族構図で説明していきます。

 

1,まず、母親は「自分がしっかり面倒をみてあげないといけない」といった責任感のもと、子どもを中心にやりすぎるくらい一生懸命に世話を焼いていることがあります。

 

これには段階があり、最初の頃は子どもへの愛情から世話焼きをしていたつもりが、いつのまにか子どもを支えること自体が義務感のような錯覚へと変わっていきます。

 

この時、母親の頭の中は、

  • 私がいないとこの子は生きていけない
  • この子には私しかいない
  • この子は私を必要としている

といった思いでいっぱいになっていることが多いです。

 

2,一方で、理解者であるはずの父親は家庭にあまり関心がなく、口を出すことも見向きもしません(非協力的な父親)。

 

そのため、母親はその苦労や努力を労ってもらうこともなく、ましてや手伝ってもらうことさえないのです。

 

たった独りで、がむしゃらに自分の力の限界を超えてしまうまで頑張ってしまいます。

 

これがいわゆるお母さん側の苦労であり、「共依存関係の始まり」の構図です。このような状況下でお母さん側は、世話焼きを是が非でもやめるわけにはいかなくなってしまいます。

 

3,子どもの方は、生活していくために必要な身の回りのほとんどを母親に代行してもらっているため、時間に余裕があります。

 

すると、子どもは好きなことや、興味のあることだけに時間を費やすことができてしまいます。

 

そのうち寝食も忘れるほどのめり込んでいき、依存症と呼ばれるような状態になります。

 

これが長引いてしまうと、子どもが成人してもずっと実家に引きこもり、就職もしない、いわゆるニートになってしまいます。

 

母親の苦労とは裏腹に、子どもからは「ありがとう」の言葉など出てくることはありません。

 

それどころか、時には激高したり、暴言や暴力で何かを訴えてくるようなことさえあります。

 

なぜなら、母親が自分にしてくれていることは全て「当たり前のこと」と思っていて、何もかもの責任が母親にあると勘違いをしてしまっているためです。

 

どうすればよいのか?

では、どうしたらこのような家族状態から抜け出すことができるのかという説明に移ります。

 

もちろん一番てっとり早いのは、父親がもっと家庭に関心と理解を持って積極的に助けてくれることです。

 

ですが、これは各々の家庭事情(そもそも父親が不在など)により実現が難しいこともあるでしょう。

 

そこで大事なのは、父親の代わりに、誰にも理解してもらえない状況の中で”独り頑張る母親”の苦労を認めてくれる、労ってくれる環境(理解者)を見つけることです。

 

とは言え、「そんな人物が身近にいれば苦労しない」というご意見も、ごもっともかと思います。

 

ですが、私たちはその理解者になります。お母さんの”苦労”をお母さん側の視点に立って理解します。

 

毎日全国から寄せられるお問い合わせの中には、同じような悩みを抱えるお母さん方がいて、その多くが、いたたまれない気持ちの中で孤独な状況に耐え忍んでいます。

 

私たちは開設当初より、そんなお母さんたちの叫びに耳を傾け続けてきました。

 

そして、実際に当施設とつながることのできたお母さんたちが、気持ちが晴れたり、母としての新たな歩み方を手にする姿もみてきました。

 

そうした経験からわかる事。それは、お母さんたちの想いが、誰かにこの苦労を分かってもらいたい、理解してもらいたい…と願いっていることです。

 

それは、誰にも理解されない苦労を抱えていることの表れでもあります。

 

気持ちを十分にわかってもらえることで、お母さんの心にはほんの少しのゆとりが生まれ、それが他の行動や活動にも目が向く「きっかけ」につながります。

 

それは結果として、お母さんたちの時間や労力を「自分や他のこと」に割く余裕を生み、共依存関係から抜け出す大きな一歩(ヒント)になりました。

 

すると不思議なことに、子ども側にも連鎖するかのような変化が見られました。

 

お母さん側の必死の世話焼きが減ったことで、徐々に子ども側も自らのことを”やろう”とする態度が生まれてくるのです(精神疾患が関わる場合は少し話が違いますが)。

 

最初のうちは、当たり前のように受けていた母親の世話焼きがなくなることに、不満をぶつけたり、暴れたり、抵抗を見せるかもしれません。

 

しかし、子ども側もうすうすは「今のままではだめになってしまう」と、肌で感じていて、その気持ちが母親の変化を受け入れ、自らの力で身の回りのことをするようになったのです(社会自立への意識)

 

頼ってほしい

当施設は、何よりも「当事者のつらい気持ち」を理解し、寄り添うことをモットーとしていて、そこに解決の鍵が隠されていることを確信しています。

 

おそらく、さまざまな事情(世間体など)もあり、そのために全ての責任を担い、また他の誰かに頼ることをためらってしまうお母さんがいらっしゃることも承知しています。

 

そんな立場から、責任感あるお母さんたちに助言させていただきたいことは、

「ぜひ、私たちを頼って欲しい!」という点に尽きます。

 

お子さんの心にお母さんの努力がもっと伝わるよう、そして、もっとお父さんの協力と理解を得られるように、私たちはご家族の成長に関する様々な方法とノウハウをご提供いたします。

 

もしも、この記事を読んだ後で「自分にも当てはまる部分があるかも」と感じたのであれば、一度、私たちに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 

当施設では共依存関係を引き離すという方法だけでなく、共依存関係を維持したまま関係を改善できるやり方も実践しています。

 

 

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