皆さん、こんにちは。

シリーズブログ「家庭内暴力からの成功例」は、当施設のこれまでの解決実績を元に、子どもの深層心理を知ることによって見えてくる、真の原因や対処方法などについてご紹介していくものです。

家庭内暴力に苦しんでいるご家族に、少しでも希望を持っていただけるような情報を提供して参ります。

第6回目は、家庭内暴力の親子関係に多い「共依存」状態の親子と、その解消方法について解説して参りたいと思います。

共依存関係

家庭内暴力と聞くと、表面上は親子が対立しているような印象を抱きがちですが、実は深層心理ではお互いを必要としているケースが少なくありません。

家庭内暴力においては、「支配する(したい)親」と「支配される子」という共依存関係の構図が多く見られます。

共依存関係とは、「共依存者」と「依存者」の関係で成り立つと言われていますが、この場合は親が共依存者で、子どもが依存者になります。

共依存者である親の特徴は、子どもの身の回りの世話を全て自分がしてあげることで自分の価値を見出し、それを生きがいとしてしまっているケースがほとんどです。

これは、子離れができない親の多くに当てはまります。

対して、依存者である子どもの特徴は、身の回りのことは親がなんでもしてくれるので、自分は何もせず好きな事だけに集中することができる環境にいます。

当然、自立する意思など育たないどころか、生活を疎かにしてまで一つのことに没頭するあまり、周囲の迷惑をかえりみないような依存体質の人間へと成り果ててしまいます。

こういった親の過保護や過干渉などが影響し、30代や40代になっても実家で親の年金で暮らすような「アダルトチルドレン」が増加傾向にあることも、現代では問題視されています。

アダルトチルドレンと呼ばれる子どもたちの多くは、自分で何かをやり遂げたり、頑張ってきた体験が乏しいためか、自信がなかったり、自己肯定感や自尊心が低い場合がほとんどです。

そんな子どもに対して「自立しなさい」とか、「仕事をしなさい」などといった言葉は投げかけないでください。

「お前のせいでこうなったんだぞ!」と言わんばかりに暴言や暴力に訴え、家庭内暴力へと発展してしまうきっかけになる可能性があるからです。

転地療法

こころの病の回復に有用であるとされる治療方法に「転地療法」というものがあります。

転地療法とは、「日常の住み慣れた家(土地)を離れ、空気の清浄な全く別の環境に比較的長期間身を置いて保養することで、疾病を癒す手立てとすること」とあります。

前述したような共依存関係に由来した家庭内暴力に悩んでいる親子にも、まず物理的に距離を置き、依存関係を断ち切り、一刻も早く安心した生活を送るためにも、この転地療法が良しとされています。

ですが、当事者たちは深層心理下でお互いを必要としてしまっているためか、お互いのためにならないと知りつつも、自ら「離れる」という選択肢を選ぶことができずにいます。

こうした状況を打破するためには、やはり第三者機関(行政、支援機関など)の介入が必要とされます。

当施設での対応

当施設でも、過去にこのような共依存関係にある親子の家庭内暴力に介入し、次のような支援を行ってきました。

まず、お子さんは住み慣れた地元を離れ、施設の新しい環境に身を移します。

最初の頃は元の居心地の良かった環境と比較して、よく不満を漏らしたりもします。

「帰りたい!」「家の方がずっと楽!」と言う子どもたちがほとんどです。

しかし、平均して2~5ヶ月ほど経過してみると、ほとんどの方が転地(環境の変化)のストレスにもしっかり順応することができます。

生活にゆとりが生まれてくると、次第に自分と向き合ったり、親の立場を考えたり、自立心を育む作業にも取り組む姿が見受けられるようになってきます。

同時に、親御さんにもお子さんとの適切な距離感や、付き合い方を学んでいただきます。

当施設の臨床経験からも、こうしたケースのご家族が回復に至るれるということはわかっています。

今、同じような状況でお悩みのご家族がおられましたら、お互いがまた安心して安全に暮らすことが無理などと諦めないでください。

家族の絆を再構築するためにも、勇気を出してお問い合わせいただけたなら、きっとお力になれることと思います。