(夜の9時に施設の電話が鳴り始めた)
「…助けてください。娘からの“暴言”がひどくて、何時間も話を聞いてましたが、一向に止む気配もなく、やっとの想いで自宅を抜け出して、電話をかけています。」
時にはこのようなお電話が、県内外を問わず寄せられることがあります。
そうしたお母さんのお話を聞いていると、どのお母さんも大変な状況におかれていることが伝わってきます。
お子さんの将来を心から心配している。…でも、その苦労は他の家族たちに伝わらないし、わかってもくれない状況の中で、独り苦悩されている状況が想像できます。
一方、お子さん(娘さん、息子さん)のご様子も、混乱の中にあるのか、「一方的な言いがかりを向けてきては、自らもその考え方に疲れたり、悩んでしまったり…」と、改善の糸口がみつけられずにいるようです。
家庭内暴力・暴言の背景にある心理的退行?
家庭内暴力や暴言の背景には、“心理的退行”というものがみられるケースも少なくありません。
心理的退行とは、“赤ちゃん返り” “子供返り”に揶揄されるよう、幼い時の発散スタイル(幼い考え方や気分表出スタイル)をとってしまう心情であり、ある意味、自分にブレーキがかからない状態と言えるでしょう。
この心理的退行(退行化)は、常に現れる訳ではなく、むしろ、“自分の思い通りに物事が行かない状況”に特化して現れやすいという特徴を持っています。
暴言や暴力は“母親に向かいやすい”とよく言われますが、それはお母さんに対して、“自分の思い通りに(母を)動かしたい”との原始的な願いによるものです。
ほとんどの場合、それが満たされるまで退行化は続いてしまうと考えてもよいでしょう。
また、退行化された二者関係は非常に危険であり、誰にもブレーキがかけられない状況で暴走しつづけてしまう状態にあります。
とりわけ退行化というものは、その子の視野を極端に狭くして(心理的視野狭窄)、その時の語気や感情を劇化させるでしょう。
お母さん側も、“何とか誤解(狭い考え方)を解いてあげよう”(苦しみから解放してあげたい)と思って、必死の対応(別の考え方)を探してあげようとします。
しかし、却ってその姿が「自分のことをまるで理解してくれない!」という、お子さん側の視野狭窄を刺激してしまい、堂々巡りになってしまうことが多々あります。
退行化は無意識に起こる
やっかいな点は、退行化は「無自覚(無意識)の中で現れる」ということです。
たとえこのブログ記事に共感されたお母さんが、その知識をお子さんと共有しようとしても、お子さんが理解することは難しいでしょう。
実は、私たち専門家はそんな時のための秘策(手立て)を持ち合わせています。
特に、そうした無意識レベルの問題は丁寧に扱う必要があるため、専門家と協力して対応していくことが求められます。
退行化はケアできる!
退行化は、それによってお子さんの自信がどんどんすり減っていくため、ご本人にとっても“しんどい時間”なのです。
そこで、私たち心のケアの専門家は、お子さんの“自信が戻ってくる”ことを主な支援テーマ(方向性)としています。
支援者という中立的な立場から、退行化の役割(良い面、悪い面の両方)を一緒に振り返ったり、さらには、退行化に込められたお子さんなりの「願いや要求」を言葉にしていくという支援を行います。
この作業が順調に進むと、退行化に動かされていた「自分の姿」(家庭内暴力や暴言)が見えてきて、退行化を使わなくても、自分を表現できるスキルを身につけていきます。
一方、お母さんやご家族側にも退行化の対処の仕方を一緒に考えてもらい、時にはこちらから助言・指導などをさせていただきながら、心理的退行に家族全体が巻き込まれないための対策なども探していきます。
精神科との協働連携も大切
家庭内暴力や暴言が慢性化しているお子さんの中には、精神機能レベル自体(本来の脳の働き)が大きく低下しているケースも少なくありません。
それは、「精神科の治療(保護や医療)を必要とするレベル」を指し、自分の力では元の状態に戻せなくなってしまっている状態と言える場合もあります。
そのような兆候(SOSサイン)がみられる際は、まず精神科との協働連携を密にして(入院治療、通院治療)、回復後の心のケアを我々が引き継ぐという支援プランを提案いたします(一方で、通院ケースでは回復程度を見ながら心理的介入を本格化させる)。
こうした回復プランを通じて、当施設はこれまでも多くの青年~成人のお子さんの回復を支援してまいりました。
お子さんを“何とか助けたい”という願いを持たれるお母さんには、是非とも、当施設ならではの家族サポートをご利用いただければと思います。
お母さんや、ご家族からのお問合せをお待ちしております。
専門家の皆さん、アイディアや、経験談をください
パーソナリティ障害宿泊・心理支援センターでは、利用者様のニーズに沿った質の高いサービスの提供に向けて、障害福祉事業関係者様との意見交換を希望します。
また、支援者さんからのご相談やご質問等も承っており、当施設の知恵と助言をご提供しています。
- パーソナリティ障害者の回復ステップとは。
- 家族支援の仕方のコツ。
- 支援者の陥りやすい落とし穴(ジレンマなど)。
対象者
- 精神保健福祉士
- ソーシャルワーカー
- ケースワーカー
- 精神科医、看護師
- 障害者グループホーム経営者
- 行政書士
- 社労士
- 建築士など
当施設では、専門家の皆さんとの連携が人格障害系の生活援助の向上につながるという確信のもと、協力の輪を何よりも大切にして参りました。
現状では、福祉、医療、サービス、教育に関する当施設の情報不足を痛感しており、今後ともお互いに有益であるような協力関係を結んでいただける方からのご連絡を心よりお待ちしております。
当施設までご自由にメールをください
jec.mailcounseling@gmail.com
電話対応も致します
0274-62-8826
専門施設として「パーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」
施設長
佐藤矢市
2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
費用
初回面談 施設見学 |
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初回面談の特典 |
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宿泊料金 | 支援ニーズにより異なります。まずはお問合せください |
※詳しくは下記URLよりアクセスください。
業務提携しました
心理障害グループホーム「地上のひかり」
施設長
佐藤靖人
2021年度に開設し、この度「JECパーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」と業務提携を結びました。
心理障害を抱えた方に向けて、心理ケアやスポーツが盛り込まれた生活を通し、楽しく学びながら成長し、将来への希望が見出せます。
月額利用費を抑えながらも支援の質を落とさず、自立や社会復帰に向けた生活支援を行う居住空間をご用意いたしました。
費用
初回面談 施設見学 |
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月額料金 |
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心理障害レベル |
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※詳しくは下記URLよりアクセスください。