PDとは?
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。
認知(ものの捉え方や考え方)、感情のコントロール、対人関係といった種々の精神機能の偏りから生じるものです。「性格が悪いこと」を意味するものではありません。※1
人格障害者施設・宿泊心理センター
5つの症状
PDにはたくさんのタイプが存在し、そのほぼすべてのタイプに共通する症状が5つほどあることがわかっています。
- 両極端な認知(10か0か、白か黒か、敵か味方か)
- 自己視点(自分と他人の考え方などを混同しがち)
- 不信・疑心暗鬼(裏切りを恐れる、心を許せない、被害妄想)
- 恐怖・劣等感(自己肯定感の低さ、他人との比較)
- 衝動・感情的(他人との衝突、暴力、トラブルの原因)
これらの症状がもたらす影響によって「社会での生きにくさを感じている」ことが、パーソナリティ障害を抱えているということなのです。
問題行動
PDが原因で引き起こされる問題行動には主に次のようなものがあります。
- 親への暴言や暴力(家庭内暴力)
- 長期的な引きこもり
- 摂食障害
- 犯罪行為
- 適応障害
- うつ状態
- 強迫性障害
- PTSD
- 各種依存症
- 自傷行為、自殺企図
このような問題行動が起きてしまう原因や、それに対して親ができることについては過去の関連記事をご参照ください。
克服
PDを回復させるために必要なことの第一歩として、当事者が自分の症状を正しく理解し、認めることからすべてが始まります。
そのためには、自分自身と向き合って、自分の特徴や傾向などを客観的にじっくりと観察し、それらを自分なりに知ろうとする意欲が必要です。
本人の意思と家族の協力、そして専門家の支援を受け、じっくりと考えながら悩みや問題と向き合っていきます。
また、当事者たちのこころはある部分で「幼く、子どもっぽい」と言えます。
これはこころがまだ発展途上の状態であるという意味で、ごく自然で当たり前なことです。
今後の成長も視野に、そんな部分も認めて前へ進む気持ちを持てるように希望を持ち続けることが、克服のためにとても大切ということを覚えておいてください。
※1引用元「みんなのメンタルヘルス:厚生労働省」こころの病気を知る、パーソナリティ障害
※関連記事:「人格障害(パーソナリティ障害の基本症状について」
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※関連記事:「問題行動を繰り返す子どもに親ができること」
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