皆さん、こんにちは。
シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」22回目になります。
心の病を抱える方の多くには、人との「つながり」を感じられなくなってしまった方や、孤独と寂しさで心の中がいっぱいになってしまった方がいます。
今回はこの「つながり」という概念について詳しく解説して参ります。
「つながり」を感じる時って?
人は「つながり」を感じられないと寂しさを感じる生き物です。
そんな時、特にパーソナリティ障害の人たちの場合は、あらゆる依存対象にすがったり、過食嘔吐や自傷行為を繰り返したり、誰かにしがみつこうとしたりすることがあります。
中には人とつながるということが良く分からず、新たな人間関係ができた途端に、急いで自分から関係を絶ってしまうような人もいます。
では、「つながり」を実感できるのは、いったいどういった時と場合に起こり得るのでしょうか。
色々な視点で説明できるかと思いますが、一つの例として以下のような言葉で表現してみます。
「つながりとは、自分はひとりではないと感じられた時に実感できるもの。」
別の言い方をするならば、「感情のコミュニケーション」が感じられた時のことです。
「つながり」とはその場の状況だけでなく、その時の自身の感情とも相まって感じられるものなのです。
ですから、たとえ誰かと一緒にいたとしても、誰かに連絡を取っても、誰かを思い浮かべても、そこに「自分はひとりじゃない」という感覚がついてこなければ「つながり」を感じるまでには至りません。
状況的に誰かとのコミュニケーションがあったとしても、そこには感情が必須であり、感情を感じるためには、その誰かと「感情のコミュニケーション」が必要なのです
感情のコミュニケーションとは?
では、どんな時に人はひとりではないと感じられるのでしょう。
それは「誰かが自分のことをわかってくれた」、あるいは「受け入れてくれた」と感じた時です。
なぜならば私たちは、誰もが自分のことを理解して欲しい、受け入れて欲しいという「承認欲求」を抱いているからです。
それを感じられた時に「自分はひとりではない」と感じ、相手との間に「つながり」を感じることができるのです。
ところが私たちは、日常で「わかってくれた」「受け入れてくれた」と感じることが難しいようなのです。
実際に当センターを訪れる方々は、人とのつながりを感じられないことが、様々な問題の原因になっていることがあります。
それは例えば「孤独感」や「寂しさ」といった類の苦しさです。
友達や恋人がいない、という話はもちろんですが、逆に友達はたくさんいるのに安心してなんでも話せる相手がいない人、夫婦や家族と一緒に暮らしているのに「孤独」や「寂しさ」を感じている人、状況的にはひとりではないのに、感情が「ひとりぼっち」と感じてしまっているケースはたくさんあります。
何度も言うようですが、「つながり」を感じられないときに私たちは孤独や寂しさを感じます。
ひとりぼっちというのは、誰とも「つながり」がない、つまり「私をわかってくれる」「受け入れてくれる」と感じられないときに感じるものなのです。
私の気持ちをわかってくれたり、受け入れてくれたと感じた時、人は「ひとりじゃない」と感じることができます。
そうして初めて、誰かと感情のコミュニケーションを取り始めることができます。
そして、誰かとの感情のコミュニケーションの中で、「安らぎ」や「あたたかさ」といったものを感じることができるようになり、その中で誰かに対して「応援」「感謝」「幸せを願う」ことができるようになるのです。
感謝を伝えることが感情のコミュニケ―ションの第一歩
「つながり」を得るための方法の一つは、自分の思いを周りの人に発信していくことです。
周囲の人に対して自分はどんな思いを持っているのか・・・自分のその想いを感じてみましょう。
そしてその中から、まずは「感謝の思い」を探して外に発信していきます。
どんな小さなことでも「ありがとう」と人に伝えてみること、それだけでも誰かから「感謝のお返し」というリアクションをもらいやすくなります。
これこそが「感情のコミュニケーション」の第一歩になります。
これを続けていくためには、周囲の人をよく観察して、自分の思いを感じることが重要になってきます。
こういった視点で周りの人を見て、自分の思っていることを発信していくと、少しずつ、今まで気がつかなかったような周りの人からの視線や思いに気づいていくことが出来るようになります。
誰かから見守られ、応援され、愛されているということにも気がつきます。
誰かを見て思いを発信していった分だけ、誰かから見られ、思いを発信されているということもわかってきます。
自分が誰かと「つながり」を持って見るという姿勢でいることは、「実は誰もが見て、見られている」という感覚をつかみ、いつも「つながり」を感じられるようになっていけるのです。