皆さん、こんにちは。
佐藤矢市先生の「パーソナリティ障害の回復には決断と見守る連携が必要」シリーズ第4回目となります。
今回は、様々な問題行動を繰り返す子どもの対応に追われ、不安や焦りを感じている親御さんやご家族から多く寄せられる相談内容に対してのアドバイスになります。
乗り越えることができるということを信じて参考にしていただければ幸いです。
根本にあるのは「思い込み」かも
この「問題行動」には、摂食障害や自傷行為、自殺未遂や家庭内暴力、多額の借金や窃盗、長期的な引きこもりなど多種多様に含まれます。
これらの問題行動に共通していることは、以前の記事でも取り上げましたが、大なり小なり「被害意識」が関係していることが、過去10年間における165ケースの臨床的に統計処理されて分かってきたことです。
この「被害意識」が強まってくると、「何をしても続かない・・・我慢がきかない・・・」などの持続性や忍耐力の問題として現れてきます。
そうすると、徐々に家族観での交流が困難となり、家族崩壊へと進んでしまう事が最近、特に目立つように感じられます。
親が抱えてしまう不安
親として我が子に、色々な提案や説得、時には共感的に関わろうと試みますが、そのほとんどが何の解決の糸口にもなってない場合も少なくありません。
また、医療機関や行政、警察などの力を借りたとしても、応急処置的な介入のため、根本的な問題解決には至らないのが現実です。
そんな状態が何年と続いていく中で、親が出来ることと言えば、子育てに対する反省や後悔、または正反対に子どもの問題行動を強制的に諦めさせようとすることなのです。
その結果、ますます親子間での不信感の溝が開いていってしまいます。
親自身が専門家を頼る経験を積むこと
こうなってくると親として「押しても、引いてもだめ・・・」という想いの中、焦りや諦め、死への想いも浮かぶほどになってきてしまいます。
そんな親の態度に、子どもたちは、不信感や疑念、怒りや寂しさなどを抱くようになり、言葉にならない複雑な思いを親にぶつけていくのです。
実は、お子さんの問題行動の本質は、自分の存在感を伝えられずに、問題行動として表現してしまっていることにあるので、そこに手を差し伸べていく必要があるのですが、徐々に親御さんは我が子に追い詰められていくことになり、諦めに近い心理状態になっていきます。
親御さんの中には、我が子の対応に不安になったり焦ってしまったりして、うつ病を発症してしまう方も珍しくありません。
しかし、そんな状況の中にあっても、執念の思いで当センターに辿り着かれたという方もいらっしゃいます。
親の決心と乗り越える力
そんな藁にもすがる想いで辿り着かれた親御さんに対して、「親として自分たちの限界を知り、その思いを正直に我が子に伝えることの必要性」をご提案させていただいております。
この提案を実行するには、親と子、双方のタイミングこそが重要であり、何より、親としての「決心」が問われてきます。
世間体や見栄などを捨て去る勇気と決心が必要なのです。
この「決心」が子供に伝わった時に初めて子どもは動き出し、乗り越えるための一歩を踏み出すのです。
これこそが成長するための好機(チャンス)なのです。
まとめ
ただでさえ、問題行動を繰り返し、その尻拭いを強いられている親子間では、当然、命の危険性も高いので、専門家の支援なしで先述した提案を安易に実行することはおすすめできません。
我々のようなパーソナリティ障害の専門家が仲介として関わらせていただくことで、スムーズにかつ安全に親と子の精神的分離を図ることが可能になってくるのです。
そして、先が見えず、真っ暗闇で、苦しさ辛さのどん底にいるご家族のみなさんにおかれましても、決して諦めないでいただきたいと思います。
お子さんの将来は可能性に満ちています。
変化へのチャンスを逃さずに、明るい未来へとつなげるためにも信じてあげてください。
そのためにも、ぜひ我々の施設も含め、ご検討ください。
理解し、寄り添い、支援してくれる専門家が必ず存在します。