「娘がホストに依存しているかもしれない」――そう気づいたとき、私たち家族の生活は一変しました。

 

夜ごと外出し、帰ってくるのは明け方。家族の言葉には耳を貸さず、スマホの中のホストからのメッセージに一喜一憂する娘・美咲(仮名)。

 

貯金を切り崩し、借金を重ねながらも、彼女は「これが私の生きる道」と言い張り、どんな説得にも応じようとしませんでした。

 

私たち親は、何度も話し合いを重ねました。「どうすれば娘を救えるのか」「娘の将来、先の見えない恐怖」「ホスト依存から抜け出させる方法はあるのか」。

 

行政に相談しても「本人の意思が大切」と言われ、警察に頼っても「犯罪に巻き込まれていなければ対応は難しい」と突き放されるばかり。

 

途方に暮れながらも調べ続けた末に辿り着いたのが、心理を中心にホスト依存を専門とした日本で唯一、民間の宿泊施設であり、 ホスト依存や家庭の問題を抱える女性を受け入れ、個人差はあるものの、4カ月を目安に心理ケアまで提供するJECセンター でした。

 

しかし、美咲は 「施設なんか行かない」「そんなところ行かない」「私は依存なんかしていない」 と拒絶。そこで私たち親は、「根気強く対話を続けること」を決意しました。

 

 

娘の拒絶にどう向き合ったのか

美咲は当初、どんな話し合いにも応じませんでした。

 

「ホストに会えなくなるくらいなら死んだほうがマシ」

「どうせ私の気持ちなんて誰もわかってくれない」

 

彼女の言葉には、私たち親への怒りと、依存先を奪われることへの恐怖が入り混じっていました。

 

しかし、 ただ頭ごなしに否定しても意味がない ことは分かっていました。

 

説得するのではなく、「美咲の気持ちを理解しよう」と努めることにしました。

 

最初はわずかな会話でもよい、とにかく対話を続けること。

 

「ホストのどこが好きなの?」

「どうしてそこに行くと安心するの?」

 

彼女の言葉に耳を傾け、否定せずに受け止めることで、少しずつ話せる時間が増えていきました。

 

 

JECセンターのスタッフと連携しながら進めた対話

話し合いを続けながら、JECセンターのスタッフとも連絡を取り合いました。

 

「見守るだけでは何も変わらない。」

「娘はホストやお店に迷惑をかけたくない」

「否定ではなく、理解を示しながら対話を続けること」

 

スタッフからのアドバイスを受け、私たちは覚悟を決め、美咲と向き合うことを決めました。

 

やり取りを続けるうちに、 美咲の心に少しずつ変化が生まれ始めたのです。

 

 

施設の下見が転機に

娘をJECセンターに連れて行く決定的なきっかけとなったのは、 施設の下見 でした。

 

「話すだけならいい」と美咲が渋々ながらも同行することを了承したのです。

 

JECセンターを訪れると、美咲は意外な反応を示しました。

 

「思ってたのと違う……」

 

JECセンターは、 病院のような閉鎖的な空間ではなく、自由で開放的な環境 でした。施設の中には 同じような悩みを持つ女の子たちがいて、スタッフも穏やかに話を聞いてくれる。

 

「ここなら少しだけならいてもいいかもしれない……」

 

それは、これまで拒絶し続けていた美咲の口から初めて出た、前向きな言葉でした。

 

しかし、まだ完全に納得しているわけではありません。 彼女が自らJECセンターでの生活を受け入れ、ホスト依存から抜け出すには、もう一歩必要でした。

「ここに来たらホストと離れなきゃいけないの?」

 

その言葉には、依存先を失うことへの不安が滲んでいました。ホストクラブでの経験が彼女にとって唯一の自己肯定感を得られる場所だったのかもしれません。それを否定されることが怖かったのです。

 

しかし、JECセンターのスタッフはそんな美咲の気持ちを理解し、焦らずに寄り添い続けました。

 

 

「女性専用施設だから安心できる」と思えた瞬間

JECセンターが女性専用施設であることも、美咲の気持ちを動かす大きな要因でした。

 

「ここには男性がいないんだね」

 

彼女がホストに依存する理由の一つに、男性からの承認を求める気持ちがありました。

 

しかし、同時に彼女の心の奥底には「本当は男性が怖い」という感情もあったのです。

 

過去に傷つけられた経験があり、それを埋めるためにホストという場所に依存してしまっていたのかもしれません。

 

JECセンターのように 「女性だけの安心できる空間」 であれば、自分の気持ちを無理に作る必要もなく、本当の意味でリラックスできることに美咲は気付き始めました。

 

また、施設内には同じように悩みを抱える女性たちがいました。

 

彼女たちと話すことで、 「自分だけが特別におかしいわけじゃない」 と感じられるようになったのです。

 

 

「ペットと一緒に過ごせる」ことが心の支えに

さらに、美咲が興味を持ったのは JECセンターがペット共生型の施設 であるということでした。

 

「ここでは動物が飼えるんだ……?」

 

もともと美咲は小さい頃から動物が好きでした。しかし、ホストに通う生活の中で、動物と触れ合う機会はほとんどなくなっていました。

 

センターでは猫や小鳥、ウサギなどを飼い、一緒に過ごすことができ、日々の生活の中で動物とのふれあいが癒しになっています。

 

「動物は裏切らないし、何も求めてこないから……」

 

美咲はセンターの猫を優しく撫でながら、ポツリとそう漏らしました。

 

ホストからの承認や愛情を求めるのではなく、動物との関係から 「見返りを求めない優しさや癒し」を感じることができた のです。

 

このことが、彼女の心を徐々に開く大きな助けとなりました。

 

 

「私、自分からカウンセリングをしようと思う」――変化の決め手

JECセンターで過ごすうちに、美咲は少しずつですが変わっていきました。

 

「朝、起きるのが楽になった」

「夜、誰かがいなくても不安にならなくなってきた」

 

ホストとの連絡を遮断している日々が続いても情緒が安定する日が増えていき、彼女自身が 「ホスト依存の状態から抜け出しつつある」 ことを実感し始めたのです。

 

そんなある日、美咲は自らこう言いました。

 

「私、カウンセリングを受けてみようかな」

 

それは、親もスタッフも予想していなかった言葉でした。

 

今まであれほどカウンセリングを拒否していた美咲が、 自らの意思で決めた のです。

 

その理由を聞くと、彼女はこう話しました。

 

「私、ずっと『自分は普通だ』って思い込もうとしてた。でも、普通じゃなくていいのかもと思った。だから、自分がどんな状態なのか知りたい」

 

JECセンターで過ごす中で、彼女は「普通でなければいけない」という思い込みから解放され、「自分を知ることが怖くなくなった」。

 

 

家族の決断とスタッフの支えが娘を変えた

美咲の変化は、親の決断と根気強い対応、そしてJECセンターのスタッフの支えがあったからこそ生まれたもの でした。

 

  ・家族が焦らずに話し合いを続けたこと

  ・JECセンターの環境が美咲に合っていたこと

  ・動物とのふれあいが安心感を生んだこと

 

これらの要素が重なり、彼女はホスト依存の生活から抜け出し、新たな一歩を踏み出すことができたのです。

 

 

「娘を変えたい」なら、親ができることから始めよう

「ホスト依存をやめさせたい」

「精神科やカウンセリングに連れて行きたい」

 

そんな願いを持つ親御さんは多いですが、 無理に連れて行こうとしても逆効果になることが多い のが現実です。

 

「焦る気持ちや諦めの気持ち」そして「娘をどうやって連れていけば…」と不安に思うことも多くありますが、そのために、JECセンターのような専門施設のサポートを活用することが、解決への大きな一歩 になります。

 

もし、娘さんの行動に悩んでいるなら、ぜひ一度JECセンターに電話やメールにて相談してみてください。

家族だけでは解決できない問題でも、専門スタッフと連携することで、必ず前に進む道が見えてきます。

 

*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ

元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。

 

 

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