今回は、人格障害(パーソナリティ障害)と診断されている方が障害年金の受給や、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得することについての可否と、その方法について解説していきます。
人格障害(パーソナリティ障害)と診断される方の多くは、自分を取り巻く環境に原因があるとして、家族や親を責めてみたり、責任を取らせようとするものです。
そんな当事者たちにとって、保障を受けることより何よりも、直面している症状や心の悩みからくる辛さ、苦しさをどうにかしたいと願っておられることでしょう。
もちろん、これらをしっかりとケアし、改善や回復を目指すことが一番の課題であることは間違いありません。
しかし、障害者手帳の取得や障害年金の受給は、当事者の将来(保護者なき後も)を保障する上で蔑ろにしてはいけません。
それらの保障を受けていることによって、ある種の”こころの安心感”が得られ、当事者たちの負担や辛さ、苦しみといったものが緩和されることもまた事実です。
当施設においても、「心理査定」という形でこれらの取得に向けたお手伝いを精いっぱい行っております。
もしもまだ取得や受給に至っていないという方たちは、ぜひこの機会にその仕組みと大切さをご理解いただければと思います。
障害年金の受給
まず、「障害年金」というものは、受給によるメリットに比べて目立ったデメリットさほどありません。
受給のメリットは
- 税金がかからない
- 老齢年金に影響しない
- 経済的負担軽減
- 年金の法定免除
などがあり、基本的に特別な事情がない限りは周囲に障害年金の受給が知られることもありません。
次に、受給の対象となる症状は以下の通りです。
- 気分障害(うつ病、躁うつ病)
- 統合失調症
- 双極性障害
- てんかん
- 発達障害
- 知的障害
- 自閉症スペクトラムなど
逆に対象となりにくいものは以下の症状が該当します。
- 人格障害(パーソナリティ障害)
- パニック障害
- 不安障害
- 適応障害
- 強迫性障害など
このように、人格障害(パーソナリティ障害)などは原則として認定の対象外となっています。
その理由として、他の精神疾患に比べると日常生活への支障が少なく、また治癒する可能性が高いことなどが挙げられています。
しかし、人格障害でも過去に受給が認定された実例が多く存在します。
例えば、情緒不安定性パーソナリティ障害(境界性人格障害)のケースで、統合失調症など精神病の病態が見られるとの理由で、受給が認定されました。
人格障害(パーソナリティ障害)においても、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては例外的に認定が下りることが証明されています。
つまり、最初からあまり調べもしないで対象外として諦めてしまうということは、受給できるかもしれない可能性をみすみす見落としてしまうことになります。
当施設においても、医師から精神病の病態を有するとのお墨付きを診断書に書いてもらうための「心理査定」というものがあります。
心理士(公認心理士、臨床心理士、精神保健福祉士)が行った心理査定によって、過去に人格障害(パーソナリティ障害)として入所された方が、実際に年金受給の認定をされました。
※詳しくはこちらのページでご紹介しています。
障害者手帳の取得
障害者手帳(精神障害の場合、正確には精神障害者保健福祉手帳)のメリットについてご説明します。
手帳は取得のために医師の診断書を作成することと、2年に一度の更新手続きという手間がかかることがデメリットとして挙げられるくらいで、実質メリットしかないようなものです。
メリットは以下の通りです。
- 税金の障害者控除
- 自治体で公共施設利用料金の減免
- 障害者雇用枠での就労
- 各種障害福祉サービスが受けられる
などがあり、他にもバスやタクシーの運賃やNHK受信料が減免されたり、携帯電話料金で障害者割引などを利用できたりもします。
次に、取得の条件については、こちらも障害年金と条件はほぼ同じく、精神疾患(統合失調症、躁うつ病、うつ病など)を併発していない限り、原則として交付の対象にはなりません。
そのため、人格障害(パーソナリティ障害)として申請することはできても、審査を通すためにはやはり医師の診断書(兼意見書)に対象となり得る精神疾患の併発と書かれている必要があるようです。
専門家の皆さん、アイディアや、経験談をください
パーソナリティ障害宿泊・心理支援センターでは、利用者様のニーズに沿った質の高いサービスの提供に向けて、障害福祉事業関係者様との意見交換を希望します。
また、支援者さんからのご相談やご質問等も承っており、当施設の知恵と助言をご提供しています。
- パーソナリティ障害者の回復ステップとは。
- 家族支援の仕方のコツ。
- 支援者の陥りやすい落とし穴(ジレンマなど)。
対象者
- 精神保健福祉士
- ソーシャルワーカー
- ケースワーカー
- 精神科医、看護師
- 障害者グループホーム経営者
- 行政書士
- 社労士
- 建築士など
当施設では、専門家の皆さんとの連携が人格障害系の生活援助の向上につながるという確信のもと、協力の輪を何よりも大切にして参りました。
現状では、福祉、医療、サービス、教育に関する当施設の情報不足を痛感しており、今後ともお互いに有益であるような協力関係を結んでいただける方からのご連絡を心よりお待ちしております。
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専門施設として「パーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」
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2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
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2021年度に開設し、この度「JECパーソナリティ障害宿泊・心理支援センター」と業務提携を結びました。
心理障害を抱えた方に向けて、心理ケアやスポーツが盛り込まれた生活を通し、楽しく学びながら成長し、将来への希望が見出せます。
月額利用費を抑えながらも支援の質を落とさず、自立や社会復帰に向けた生活支援を行う居住空間をご用意いたしました。
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