皆さん、こんにちは。
シリーズブログの第二部「同じ悩みを持つ母親たちがここにいる~There’re mothers just like you~」6回目になります。
今回は、母親としての覚悟を決めることについて詳しく説明して参ります。
覚悟を貫き通す
前回までの記事で、「子どもの訴えの本質を知ること」と「親としての限界を伝えること」、その際にパイプ役を作っておくことの大切さについて説明して参りましたが、最後に一番重要なプロセスである「母親としての覚悟を決める」ことについて説明します。
これは、今まで説明した心構えや準備の上に成り立つものであり、具体的に言うと「限界」として伝えた内容に対して、何があっても貫き通すということです。
例えば、「もうこれ以上あなたをこの家には置いておけないし、自立に向けてがんばって欲しい。あなたの帰ってくる場所はもうこの家ではない。」と子どもに限界を伝えたとします(この時点でパイプ役が居ることが前提です)。
そうすると子ども側は様々な手段で反発し、親が決めた限界(約束)を壊そうとしてきます。
しかし、そこで意見を曲げずに約束を守り通すことこそが、親としての覚悟の見せどころなのです。
実は、問題が長期化してしまっているご家庭ほど本来の親と子どもの主導権が逆転してしまい、家族の中で子どもが完全に主導権を握ってしまっているものです。
そういったご家庭では親が子どもの言い分に振り回され、親自身の決断や約束ごとを貫き通せない状況にあります。
そんな時は、子どもが「そういった仕組みを理解した上でうまく利用している」ということをぜひ知っておいてください。
境界性パーソナリティ障害の男性(40代)の例
境界性パーソナリティ障害を抱えた男性Aさんは、実家に両親と3人暮らしをしていました。
父親は地元の中小企業の社長であり、何十人もの従業員を抱えて多忙な毎日を過ごしている方でした。
Aさんが学生だった頃から父親はめったに家には帰らず、寂しい幼少期を過ごされていたそうです。
母親は多忙な父親に代わってAさんに多大な期待をかけ、Aさんもまたその期待にずっと応え続けてきました。
Aさんの成績は優秀で、県内でもトップレベルの進学校へ入学したのですが、そこで人間関係につまずいてしまい、それがきっかけで学校を中退、長期に渡る引きこもり生活を送るようになってしまったのです。
その後、通信制の大学に入学し、なんとか卒業までたどり着いたのですが、いざ社会に出てみると人が怖くて仕方ないといった状態におちいってしまいました。
一人暮らしをしてはみたものの、周りの人間が自分の悪口を言っているように感じてしまい、毎日生きた心地がしなかったそうです。
そんな中、たまたま利用した出会い系サイトで知り合った女性と恋に落ちて結婚したのですが、甘え方や接し方がわからず、自分の気持ちを汲み取ってくれない妻に対してDVを繰り返してしまい、最終的には離婚になってしまって実家に戻りました。
実家に帰ってからは、両親に対して激しい暴言や暴力を振るっていました。
毎日口をついて出てくる言葉と言えば、「俺の人生がこんなになってしまったのは全部お前らの責任だ!」「責任を取って俺を殺せ!」「何もできないんだったら金をよこせ!」「俺は何も悪くない!」などといった感じで、両親は疲労困憊に追い込まれました。
揺さぶりに負けない姿勢で
例に挙げたAさんのような場合、身内以外の人間に攻撃性はほとんど向かわないものです。
強制入院させられたとしても当たり障りのなく、物わかりの良い患者を演じるのですぐ退院になってしまいます。
そんな子どもに困り果てたご両親は、当センターを知り面談に足を運ばれたのでした。
このご家庭にも今までに説明したようにまずパイプ役を作り、ご両親には正直に息子さんにご自身の限界を伝えていただき、センターへの入所をすすめました。
ですが案の定、Aさんは「急な用事ができた」だの「体調が優れない」などといったあの手この手で理由をつけては要求を拒み続け、入所を先延ばしにしました。
実はこれもよく見られるケースの一つなのですが、Aさんの場合は当センターの職員がパイプ役となり、親御さんにも揺さぶってくる息子に対してブレない態度(覚悟)を貫き通していただいたことが功を奏してか、晴れて入所へと至ることができました。
入所されてからもAさんは時折、母親や職員に対して限界を試すような揺さぶり行動を繰り返していましたが、それも時間の経過とともに徐々に落ち着いてきました。
周囲の人間の揺るがない確固たる姿勢が本人にも伝わるということなのです。
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