皆さん、こんにちは。
シリーズブログ「パーソナリティ障害が治るきっかけ」第6回目となります。
このシリーズではパーソナリティ障害を抱えた当事者たちがどのようにして快方へと向かっていったのかを、当施設の臨床経験から見えてくる「治るきっかけ」に焦点を当てて考察していきます。
今回は、お子さんのパーソナリティ障害の回復と社会自立を目指す上で必ず直面することになる「就労」に関する話題を解説してみたいと思います。
意欲的であること
当施設へ入所された方の内、ほとんどの方が就労に対して意欲的な傾向にあるように感じます。
就労に関して原則禁止はしていませんが、各々の症状の経過具合によって許可が出る方とそうでない方に分かれてしまいます。
許可されなかった方は当然、次のような不満を持たれます。
「私は早く働いて社会復帰したいのに、どうして早く許可してくれないのか…」
「他の人は働いているのに、どうして自分だけだめなのか…」
許可が出せない理由はそれぞれ、対人関係の不安、情緒の不安定、他者への攻撃性が色濃く残っているなどが挙げられます。
パーソナリティ障害特有のこれらの問題を解決しないまま就労を始めたとしても、数日でトラブルを起こし、勤め先に迷惑をかけてしまう結果になることは目に見えています。
ともあれ、課題は残るものの就労に意欲的であること自体はとても評価すべき点です。
当施設ではその気持ちを決して絶やさぬよう、どうしたら希望に沿えるかをスタッフたちと一緒に考え、検討と支援を続けていきます。
自分と向き合う時期
前述したように、就労にはまだ課題が残ると宣告された方たちには、この機会に自分自身について今一度よく考え、向き合ってもらいます。
「どうしてできないのか?」「何がいけないのか?」「何が足りないのか?」
最初、ほとんどの方がこのようなネガティブな疑問に頭が支配されてしまいます。
そして、ここからさらに一歩進んだ考え方(気づき)ができるよう、スタッフたちによる日々の応援が始まります。
「自分には何ができるのか?」「自分の長所は?」「自分の持っているものは?」
というポジティブな思考回路へと辿り着いた彼らには、考えを整理して様々な提案をサポートしていきます。
人間だれしもできないことがあって当たり前で、自分に欠けているものを埋めるよりも、既に持っているものを伸ばす方が効率的だったりします。
自分の良い部分に気づき、それを伸ばすことによって自信が持てたり、自己肯定感が育まれ、対人関係の不安や、情緒の不安定などといった悩みを解消することにもつながってくるのです。
今できないことや足りないことを素直に認め、自分は何が得意で、何をすることが好きなのかを知ることが就労への足掛かりになると同時に、パーソナリティ障害回復への糸口であると考えています。
就労した後も
結論から言えば、就労したからといって回復したと言えるわけではありません。
ですが、就労が回復につながる大きな一歩であることは間違いありません。
就労に至るまでの自分との向き合いの中で何かに気づき、就労した後も仕事の中で新たな発見が続きます。
それらの経験が無数のきっかけとなり、その度に人として大きく成長するチャンスが巡ってきます。
就労とは何も、単なるお金稼ぎの手段だけではなく、社会勉強の一環なのです。
社会とのつながりによって自分の中の未熟な部分や、未知のものを知る機会がたくさん得られます。
そこに「やりがい」や「楽しさ」を見出すことができるようになれたなら、もう何も心配はいらないでしょう。
専門施設として
施設長
佐藤矢市
20年の施設運営から、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。
費用
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