
なぜ?子どもの支援をためらう母
発達の偏り(発達特性)が原因で、社会から孤立してしまいがちなお子さんを持つご家庭では、親の支えが欠かせません。
一般的なコミュニティに属することが困難なお子さんには、引きこもり、ゲーム依存、親への家庭内暴力などが見られます。
そのため、家庭内で親がどう接し、どう関わっていくかによってその子の将来は大きく変わっていきます。
しかし一方で、どうしたらいいかわからないと感じながらも“母親自身が子どもを支援につなげることをためらってしまう”ケースが存在します。
その理由としては、「支援が子どもの負担になると感じるから」「本人が嫌がっているのに無理強いしたくないから」といった声をよく耳にします。
その言葉の裏には、母親の強い愛情と、子どもに対するこれまでの葛藤の積み重ねがあります。
私たちは、こうした支援への抵抗を「否定的な態度」と捉えるのではなく、「子どもを守りたいという自然な反応」として理解します。
お子さんのため、母親との関係性をどう築いていくかが私たち支援者にも求められているのです。
そのため、JECセンターではこうした母親の心理的背景を丁寧に受け止め、安心して話せる関係づくりに余念がありません。

“家族の安心”が支援の入り口
母親が支援に慎重なときほど、「子どものため」であることはもちろん、「お母さんご自身のため」であることもお伝えするようにしています。
「お子さんのことをどう支えたらよいか整理するため、お母さんの気持ちを話してもらえませんか」
こうした声掛けが、母親の支援への心理的ハードルを下げてくれます。
支援とは、必ずしも“子どもだけが対象”ではありません。
時にその対象は母親であり、父親であることも珍しいことではないのです。
子どもを救うためには、まず家族のみんなが安心を感じることが大切です。
親御さんの心が悩みで満たされていたり不安定な状態では、冷静に向き合うことができません。
そのことを踏まえ、JECセンターでは親御さんを対象とした電話相談や面談にも力を入れています。
「まず話してみる」ことが支援につながる第一歩となることを覚えておいてください。

本人が拒む場合は、“環境を整える支援”から
いざ母親がサポートを受け入れてくれたとしても、子ども本人が支援を嫌がるケースもあります。
そんな時は、無理に面談や入所を勧めたりせず、ご自宅の環境を整える「間接的な支援」のためのアドバイスをさしあげています。
たとえば、家庭での対応を見直すための親向けの心理指南や、学校や家族間の情報共有サポート、家庭内コミュニケーションの改善方法などです。
支援の主語を「子ども」ではなく「家庭全体」に置き換えることで、本人に負担をかけずにサポートが始められます。
JECセンターでは、こうした“環境側からの支援”を必要としている親御さんに対しては、主に電話やLINEを通じたサポートを提供しています。
やがてその先に、家族が安心して子どもと関われる土台づくりができることを目指します。
そうした積み重ねが、最終的に本人が支援を受け入れる準備につながっていきます。

「決めるための相談」ではなく「整理するための相談」を
母親が支援につながることをためらう背景には、「一度相談すると何かを決めなければならない」というプレッシャーもあります。
しかし状況によっては、支援の第一歩は“決断”ではなく“気持ちの整理”が優先されます。
「今すぐに何かを決めなくても大丈夫ですよ」
「お悩みを話してみるだけでも構いません」
そうお伝えすることで、母親の心が少しずつ開いていきます。
JECセンターでは、面談や電話相談を“理解と整理の場”として位置づけ、親御さんが安心して話せる関係づくりを重視しています。
一度きりの相談で終わってしまうのではなく、何度かのやり取りを重ねながら、「支援を受けても大丈夫」と感じられるようになる過程を大切にしています。
支援に消極的な母親に必要なのは、「説得」ではなく「理解」と「時間」です。
焦らず、母親自身の安心から支援を始めることが、最終的に子どもの変化へとつながる最も確かな道です。
JECセンターは、そんな“支援の入り口”として、親御さんと共に歩んでいきます。

*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ。
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。
JECセンター各種サポート
まずは無料相談をご活用ください。
Tel:0274-62-8826
受付時間9:00~20:00


