
責める言葉の奥にある「助けて」のサイン
電話相談からすべての状況が一変した家族がいます。
「高校生の娘が私に泣き叫びながら物を投げつけてくるんです…」
母親は声を震わせながらJECセンターに相談しました。
詳しく事情を伺ってみると、その娘さんには発達障害の診断があり、母親への八つ当たりが日常茶飯事なのだそうです。
発達の特性を持つ子どもの中には、感情のコントロールが難しく、理解されない辛さをうまく言葉にできず、暴言や暴力で表現する傾向にあります。
この親子はその典型的な例で、母は娘に“普通”を求めることが多かったそうで、娘は苦しみ、母を責め続けていたのでした。
やがて学校でも孤立気味だった娘は自室に引きこもってスマホゲームに没頭するようになってしまいました。
母が声をかけても、「話しかけないで!」と怒鳴り、物を投げてドアを閉めさせる。
そんなやりとりが何度も続いたといいます。
母親は、親を責めるような言葉ばかり発するようになってしまった娘の扱いに困り果てていました。

「親を責める」という自己防衛
発達障害を持つ子どもが親を責める背景には、自己肯定感の低さがあります。
周囲とうまく関われず、「どうして私だけできないの?」という無力感を抱え続ける中で、最も安心できる存在である親に怒りをぶつけてしまうのです。
「責める」という形は、実は「理解してほしい」「見捨てないで」というSOSの裏返し。
特に家庭では安心感が強い分、抑えていた感情が表に出やすくなります。
親がそれを“反抗”や“わがまま”と誤解して受け取ってしまうと、関係はさらに悪化してしまいます。
JECセンターでは、こうした「すれ違い」の構造を整理し、親御さんが感情の背景を理解できるよう支援しています。
心理ケアの観点からも、本人の言葉を翻訳して“本当の気持ち”を一緒に読み解くことが大切なのです。

娘との懸け橋となる親子話し合いサポート
娘さんからの責められ続ける毎日に限界を感じた母親がJECセンターに相談した数日後、母親は父親と一緒に面談に訪れていました。
「発達障害を持つ娘にどう接していけばいいのかわからなくなってしまいました…」
母親の深刻な悩みを受け、今後のために一度しっかり親子で話し合う必要があると感じたスタッフは、そのまま親子話し合いサポートの提案をしました。
親子話し合いの場では、スタッフが間に入ることで、親御さんと娘さんが安心して言葉を交わせるよう調整します。
「もう会話が成り立たない」と思っていた親子関係にまだ立て直しの見込みがあることをお伝えすると、ご両親はこれを快諾されました。

さらに数日後、親子話し合いサポートの場が設けられると、話し合いの途中で母親が涙をこぼすシーンがありました。
その時、スタッフが娘さんに「お母さんが泣いているのを見て、どんな気持ち?」と尋ねると、娘さんはしばらく沈黙したあと、小さく「私も苦しかった」とつぶやきました。
母親は久しぶりに娘の口から“責める”以外の言葉を耳にしたことで、娘さんの心の奥にある寂しさを理解できたのです。
話し合いの後、スタッフは娘さんに「お母さんに想っていたことが言えて良かったね」と声をかけると、ずっとうつむいていた表情に笑みがこぼれました。
私たちは、言葉にするのが苦手な発達障害のお子さんの気持ちを引き出すお手伝いができます。
そしてサポートを通じて学んでいく中で、その作業は親御さんにもできるようになります。
また、家族の状況によっては、娘さんの一時的な受け入れ(入所)を行うことで家庭の再構築に貢献できる場合もあります。

まず“相談”から始めましょう
「責められるたびに心が折れそう」
「どこまで我慢すればいいのか分からない」
発達の特性を持ったお子さんが居ると、そんな思いを抱えてしまう親御さんは少なくありません。
JECセンターでは、そんなご家族からの電話やメール相談を受け付け、希望があれば見学や面談もおすすめしています。
家庭の中で行き詰まりを感じたときこそ、専門家のアドバイスを参考にしてください。
できれば面談で現状を丁寧に整理し、娘さんの本音と親御さんの気持ちをすり合わせていきましょう。
親を責める言葉の裏には、「わかってほしい」という切実な願いが必ずと言っていいほど存在します。
JECセンターは、その声を受け止め、親子が再び対話できる関係を取り戻すお手伝いをしています。

*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ。
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。
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