1.家庭内暴力の現状
家庭内暴力とは、子どもが親に対して暴力をふることを指し、
その最大の特徴は暴力が家庭内においてのみ行なわれることが挙げられます。
※引用元:LITALICO発達ナビ「家庭内暴力とは?子どもが親に暴力をふるう原因、解決方法や相談先」
以前は素直で聞き分けの良かった娘が急に怒りっぽくなり暴れ始めたら、
親としてどうしていいかわからなくなります。
親が小柄である場合、暴力を止めることは困難です。
警察のデータによると家庭内暴力の対象の内訳として母親が60.8%を占め、
続いて父親が11.2%、兄弟姉妹9.1%となっています。
しかし、これはあくまで警察への通報を集計したものであり、
実際は通報せずに耐えている家庭もいると考えると、もっと多いはずです。
このデータからも、母親が暴力の対象になることが多く、
自分より大きくなった娘さんを相手にするとなると、
家庭内で解決するというのはかなり困難であることが考えられます。
娘さんが暴言や暴力という形で発しているサインを受け止めることも大切ですが、
外部に助けを求めることも重要です。
当施設は全国でも唯一、心理ケアを中心とした宿泊休養施設であり、
20年以上パーソナリティ障害の方たちとともに生活してきた経験をもとにお伝えしています。
2.娘が母への暴力を乗り越えた理由
娘さんが母親に対して暴言や暴力を行う原因には、パーソナリティ障害と発達障害が共存していることもあります。
また、娘さんからすれば母親は同じ女性であり、一番身近な存在として
「気持ちを分かってほしい」「もっと理解してほしい」という強い願いを持っています。
暴言、暴力という行為に至るまでには、娘さんなりのまっとうな理由があるのです。
母親が「自分の話を聞いてくれない」「わかってくれない」
「向き合ってくれない」と諦めや憤りを感じながらも、
本音の部分では「私の話を聞いて」
「否定しないで」などの思いから、
母親が娘さんのサインに気づけずにいると、「私と向き合ってくれていない」
「理解しようとしていない」という思いから暴言、暴力で訴えようとします。
これらはある意味で「自傷行為の一つ」であるとも言えます。
母親に暴言や暴力をぶつけているとき心は無になっており、
その瞬間は、自分の不安やストレスから目を逸らすこととができます。
その原因は「生育歴」「親子関係」「その他人間関係によるストレス(不安や恐怖)」によるものと考えられます。
娘さんの心の内には「恐怖」「不安」「孤独」などがあり、
それを言語化することができずにいます。
私どもは心理的マインドを通じて、気持ちを引き出すための対話をしていきます。
スタッフや仲間との会話を通じて「不安」「恐怖」「孤独」を認知し、
自分の本音には「安心したい」という思いがあること、
本当は「聞いてほしかった」「怖かった」など、
素直な気持ちを吐き出す練習を重ね、
それらをスムーズに言語化できるようになり、
「安心できるようになる」という回復プロセスを目指しています。
しかし、これを家族だけで実行することは非常に難しいのです。
そんな時のために私どものような心の専門家がいます。
ともに協力体制を築き、「娘を助けたい」という思いの実現をサポートします。
お悩みでしたら、ぜひご相談ください。
JECパーソナリティ障害宿泊・心理センター (担当 佐藤)
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