社会心理学の用語に「スリーパー効果」(sleeper effect)と言う現象があります。

アメリカの心理学者であるカール・ホブランドCarl-Iver Hovland;1912-1961)によって提唱された理論です。

スリーパー効果とは、信頼性の低い情報源であるにも関わらず、時間が経過するにつれて説得効果が高くなる現象を指します。

つまり、時間の経過によって、情報源の「信頼性の低さ」が忘れられてしまい、その情報を信用してしまうことです。

ネーミングの由来は、情報の信頼性が眠ってしまったか(スリーパー)のような意味合いから、そう呼ばれており、居眠り効果仮眠効果と呼ばれることもあります。

新型コロナウィルス騒動でも、スリーパー効果は起きている?

インターネット上やSNS(Line、We-Chat、ツイッターなど)では、毎日多くの感染情報や恐怖心のそそる情報が流れています(例:ちょっと聞いた話なんだけど~)。

初めのうちは、「誰が言ったかも分からないその情報に対して」、信頼性は高くない、情報源は不明だと健全に対抗することでしょう。

ですが、時間の経過というものは、その信頼性を私たちの中で眠らてしまうのか、その情報の中身だけ頭の中で繰り返されたり、又は他者への開示を安易に許してしまったりするのです。

「正しく予防をしましょう」「正しく恐れましょう」とのキャッチフレーズが謳われる昨今ですが、一方で、スリーパー効果に冷静さを奪われる私たちがいるかもしれません。

心理学には、賢く生きるための知恵(基礎研究の情報)がたくさん存在します。

今後もそうした知識をご紹介したいと思っていますので、ご興味のある方は、これからのブログ記事もご覧ください。