皆さん、こんにちは。

シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」30回目になります。

今回は、パーソナリティ障害の人が抱えやすい「万能感」と「自己否定感」とのジレンマについて解説して参ります。

相反する感覚が引き起こす問題

パーソナリティ障害の人の心の中には、理想とする完璧な自分と最悪でダメな自分という二つの自己イメージがくっきりと分かれています。

それらは、一方では「高すぎるプライド」「現実離れした万能感」を抱き、一方では「強い劣等感」「自己否定感」を抱えているとも表現できます。

とても理想的な自分を夢見る一方で、現実の自分に対しては自信いっぱいに振舞っているつもりでも、内心では自信がなく、「自分は劣っているダメな人間だ」という強い劣等感を同時に抱き、そんな自分を「誰かに見抜かれるにではないか?」といつもおびえています。

実は摂食障害やアルコール依存、薬物依存やギャンブル依存などの依存症の背景にも同じ心の動きが見られます。

彼らはとてもプライドが高いので、誰かにバカにされることを極端に恐れます。

人に頼ることも苦手で、すべて自分で背負い込もうとして疲れ果ててしまい、その疲れた状態に様々な依存対象が入り込んでくるという仕組みです。

理想の自分と現実の自分が大きくかけ離れているということは、こういった問題を引き起こしてしまうのです。

不安定の原因は

高いプライドが自分の中だけでおさまっていればそれほど問題はないのですが、パーソナリティ障害の人は相手にも高い理想幻想)を求めてしまいます。

自分の理想にそぐわなければ激しい怒りが湧き、相手を叱責していきます。

また、プライドが高いために、普通なら冗談として聞き流されるようなことも、ひどい侮辱や攻撃と受け取りがちです。

その結果、ついムキになって思いもかけない過剰な反撃をしてしまうことも少なくありません。

理想の自分と現実の自分のギャップがとても大きく、微妙なところでバランスを取っているので、余分な力が加わると一気にそのバランスを崩してしまいます。

パーソナリティ障害の人が急に大きな不安に襲われたり、思いもしない破綻を引き起こしてしまう背景には、こういった心理的要因があるということを覚えておいてください。