パーソナリティ障害は「性格の悪さ」ではない
パーソナリティ障害は、「性格の悪さ」「品格や人格の劣り」などを意味しているわけでは決してありません。
正しくは、「パーソナリティ機能」における障害の意味であり、これは世界的に使われる「診断基準」(アメリカ精神医学会刊行の最新版『DSM-5』)において明確に定義されているものです。
ちなみに、「パーソナリティ機能」とは、その人の幅広い言動パターン(内面体験も含む)を表すものとして、以下のような項目でチェックされます。
- 認知=もののとらえ方や考え方。
- 感情=気持ちの変化や敏感さ、不安定さ。
- 衝動のコントロール=危険や不利益な行動を回避したり、制御する力。
- 対人関係=親密で持続的な関係づくり。
このように、パーソナリティ障害の語源とは、本来こうしたパーソナリティ機能における「障害」を意味しており、それが著しく偏ったり、さらには偏りのあることで本人や周囲が困る場合に限って、診断が下される精神疾患です。
ですかので、「性格や人格が悪い」=パーソナリティ障害を意味している訳ではありません。
診断基準(DSM-5)では、以下の定義でパーソナリティ障害が明記されています;
”その人が属する文化から期待されるものから著しく偏り、広範囲でかつ柔軟性がなく、青年期または成人期早期に始まり、長期にわたりかわることなく、苦痛または障害を引き起こす内的体験および行動の持続的パターンである。
もう少し知りたい方は、厚生労働省の情報サイトもご覧ください(病名から知る|こころの病気を知る)。
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