・甘い笑顔の奥に潜む牙
「え!怖い」「まさか、うちの子が…」——Bさん(仮名・50代)は、女子大生の娘Kさん(20歳)の変化に気づいたとき、胸が締めつけられました。
学校も行かなくなり、夜遅くの外出、急な金銭の要求、高額な領収書。
問いただすと「友達と飲んでいただけ」と答えた娘の背後には、ホストクラブと風俗の存在がありました。
Bさんは娘に平気で嘘を何度もつかれたことにショックを隠せず、「風俗なんて気持ち悪い」「もう娘のことが信じられない」「連絡しても無視される」などもうどうして良いかわからなくなったと言います。
ホストは狼の皮をかぶった捕食者。
優しい言葉や甘い笑顔で近づき、言葉巧みに「特別な存在」と思い込ませ、経済的にも精神的にも依存させていきます。
その結果、借金、学業放棄、人間関係の断絶など、取り返しのつかない被害に至ることもあります。
Kさんの場合、大学での孤立感とSNSでの承認欲求が背景にありました。
家庭では母親が愛情を注いできたにもかかわらず、些細な会話不足や将来への不安が心の隙間となり、ホストの巧妙な言葉に付け入られたのです。
こうした要因は発達特性も関係している可能性も多く、珍しくありません。
そこで重要になるのがJECセンターの存在です。
JECセンターは、心理ケアに特化し、問題行動を起こす娘さんのサポートを専門的に行う全国でも数少ない民間の入所施設です。
「親子体験入所」では施設の雰囲気や効果を実感でき、本人を直接連れてくることが困難な場合でも、安全かつ最適な方法や助言を提供します。
入所後はスタッフが家族の一員として、親御さんでは入り込めなかった、わからなかった部分までサポート。
さらにLINEや電話で常に状況を共有するため、保護者も安心して見守れます。
KさんはJECセンターでの生活を通じ、自己理解を深め、落ち着きを取り戻していきました。
次第に母と冷静に向き合えるようになり、将来の夢を語るまでに回復。
「もう夜の世界には戻らない」と誓い、親御さんも娘さんのことも信じることができるようになり、希望を持って退所しました。
Bさんは「もっと早く相談していれば」と振り返ります。
ホスト依存は放置すると被害が深刻化します。
甘い言葉の裏に牙を隠す捕食者から娘さんを守るには、早期対応が不可欠です。
夜の街やホスト依存の兆候を感じ、親御さんが「学校に行かなくなった、もう娘のことが信じられない、会話ができない等」と当てはまったら、まずはJECセンターへ相談すること。
それが、娘さんの未来を守る最善の一手です。
*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。