母と娘が抱えて来た苦しみ

 

「娘に死にたいと言われると、何を言ってあげればいいかわからないんです…」

 

うつ傾向のある娘さんに寄り添ってこられたお母さまの心労は計り知れません。

 

Aさん(高校2年生)は、発達障害の特性もあり、人間関係でのつまずきから不登校に。

 

家では感情の起伏が激しく、部屋に閉じこもる時間が増え、家族の呼びかけにも応じなくなっていきました。

 

やがてSNSでつながった素性の知らない男性相手に依存し、昼夜逆転の生活が常態化。

 

学校や将来の話題を避け続け、うつ症状も悪化していきました。

 

このままでは自殺未遂(オーバードーズ、リスカ)や金銭トラブル、性的被害など、さらなるリスクに直面する危険性が考えられました。

 

 

娘さんが変わってしまった原因は一つではありません。

 

学校での孤立、家庭での意思疎通の難しさ、発達障害による言語化の困難さが複合的に作用し、逃げ場を失った心が原因とったことはわかります。

 

もしかしたら、まだ他にも何らかの理由があったかもしれません。

 

病院や行政に相談し、受診はしたものの状況は変わらなかった。

 

結果的に、娘さんのSNSを通じた男性への依存、OD(オーバードーズ)、リスカが親御さんの危機感を煽り、JECセンター相談するきっかけとなりました。

 

親御さんも自分たちだけで解決を試みた時期がありましたが、感情的な衝突や無言の時間が増え、双方が疲弊しきってしまったそうです。

 

時間が経つほど、娘さんは「わかってもらえない」という思いを強め、現実からさらに距離を置くようになり、こうした悪循環が続いたことで、「もう自分たちの手に負えるものではない…」と判断されたのでした。

 

 

こうした流れは、実に多くのご家庭で起きており、なかなか専門家へ相談したり、外部機関のサポートを利用しようという発想にはつながらないことが多いのも現実です。

 

しかし、放置すれば問題は深刻化し、何らかのトラブル(事件)につながってしまうことも少なくありません。

 

この状況を変えるためには、専門的な知識と第三者の介入が必要だと思い切った親御さんの英断が功を奏し、退所後の娘さんには明らかな変化が見られました。

 

JECセンターに心理ケアに特化した全国でも数少ない民間の入所施設です。

 

当センターに入所中、何度もスタッフに「死にたい」と言い続けて来た彼女も、その言葉を逃げずに受け止めてくれる経験を重ねることで、表現が変わっていき「苦しい」「辛い」「嫌になった」など、具体的な感情を伝えられるように変化していったのでした。

 

やがて、彼女は「昨日〇〇って言われたことがずっと気になって眠れなかった」など、より明確な自分の気持ちを口にできるように成長されたのです。

 

 

そうした入所中の変化も、LINEや電話で常に共有されるため、親御さんもご自宅に居ながら安心されます。

 

環境の変化とスタッフ・仲間との関わりを通して、少しずつ自己理解が進み、感情を整理できるようになった彼女は、退所する頃には「心がラクになった」と話し、自分の将来について考える時間も増えたのです。

 

お母さまも「以前のように笑う娘を見られる日が来るとは」と喜びを語ります。

 

本人を施設に連れてくることが難しい場合でも、いち早くサポートにつなげられるように提案や助言をしています。

 

 

そして、相談、見学、面談という行動を起こすことで状況は大きく変わるきっかけになるはずです。

 

限界を感じ、行政や病院に相談したが、状況がかわらなかった方は、JECセンター相談してください。

 

それが、娘さんとご家族にとって新しい一歩となります。

 

そして、私たちJECが親御さんでは入り込めなかった、わからなかったところを家族の一員としてサポートします。

 

*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ

元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。