「怒らせたくない」その恐れが、親の判断を止めてしまう

家庭内暴力に悩む親の多くは、ただじっと我慢しているわけではありません。

「刺激したらもっとエスカレートするに違いない…」

「責めるような言い方になってしまったらもっと悪化してしまう…」

と、娘の心を傷つけたくない一心で踏み出せずにいることがあります。

その優しさは決して間違いではありません。

しかし、恐れが判断を鈍らせると、暴力の頻度や強さが少しずつ増していくのも事実です。

娘が物に当たる、怒鳴る、深夜に帰宅して荒れる。

——そんな日が何ヶ月も続くと、親は心も体も限界に近づきます。

それでもなお「まだ大丈夫」「次こそ落ち着くだろう」と自分に言い聞かせてしまう。

その背景には“こうなったのは私のせいかも”という、親としての深い罪悪感があります。

JECセンターに相談に来た親御さんの多くが「傷つけるどころか、決断しなかったことで私が娘を苦しめていたかもしれない」という揺れる思いでした。

家庭内暴力の裏にある“娘自身の苦しさ”

どのような理由であろうとも、暴力そのものを正当化することはできません。

しかし、家庭内暴力の根底には、娘自身が抱えきれないほどの不安や孤独、自分への怒りが渦巻いていることがあります。

たとえば、学校や職場での挫折、友人関係の不安定さ、SNSを通した比較による劣等感。

言葉で表現できないほど苦しい時、人は最も安心できる存在に感情をぶつけてしまうことがあります。

母がどれだけ優しくしても、娘には「うまくいかない現実をわかってもらえない」「どうして私だけこんなに苦しいの」という焦燥が溜まっていきます。

それが形を変えて噴き出すのが家庭内暴力です。

こうした複雑な心理が絡む問題を家庭内だけで抱え込むのは大変危険です。

家庭内だけで解決を目指すと、かえって互いの傷が深くなってしまうリスクがあります。

安全に解決を目指すのであれば、専門的な支援とつながり、心の内側にある“本当の苦しさ”を安全に解きほぐさなくてはなりません。


「決断してよかった」と思える理由

JECセンターが専門家としてまず取り組むのは、娘さんへの介入ではなく、母の不安を受け止めることです。

「娘に怒られたらどうしよう…」

「また暴れたらと思うと動けない…」


という母の恐怖を、丁寧に言葉にしていただきます。

そしてスタッフが母の話を否定せず受け止め、「お母さんが悪いわけではありませんよ」と伝えています。


すると、それだけで母の表情がふっと緩む瞬間があります。

母の不安が解け、緊張がほどけていくと、それは自然と娘さんにも伝わっていきます。

不思議なことに、母が変わっただけでも娘さんに小さな変化が見え始めます。

これまで状況が悪化の一途を辿っていたことを考えると、それがたとわずかな変化でも家族にとっては大きな変化です。

こうした初期の変化こそ、多くの母が「もっと早く相談すればよかった」と涙ながらに語る理由です。

決断を先延ばしにしないことで、未来は必ず変わる

娘さんから親への家庭内暴力を抱えている家庭において、“様子を見る”ことで自然に収束した例はほとんどありません。

むしろ放置するほど、娘の苦しみは深まり、暴力は形を変えながら続いてしまいます。

一方で、専門機関が早期に関わることで、親子の関係は思いがけないスピードで改善へ向かいます。

母の不安が軽くなり、それが娘に伝播し、娘の気持ちが安定へと向かっていけば、暴力という表し方に頼らなくてもよくなるからです。

「傷つけたくない」という親の願いは、決して間違いではありません。

その願いを本当の意味で実現するには、今動くことが必要です。

娘の未来を守るために——どうか一人で抱え込まず、その一歩を踏み出してください。

専門家の介入は、親子の暮らしを取り戻す“最短のルート”になります。

 

*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ。

元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。

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